政府は22日、東京電力福島第1原発の処理水を巡る関係閣僚会議を官邸で開き、海洋放出を24日に開始する方針を決定した。漁業者は放出に反対し、影響を懸念している。岸田文雄首相は、風評対策やなりわい継続支援に全力を挙げる姿勢を強調。「数十年の長期にわたろうとも処理水の処分が完了するまで政府として責任を持って取り組む」と述べた。
政府は処理水放出について、廃炉と福島の復興のために先送りできない課題と位置付けており、放出実現で廃炉作業を加速させたい考えだ。
首相は海洋放出に関し、気象、海象条件に支障がなければ24日を見込むと表明。漁業者側から一定の理解を得たとの認識も示した。漁業者との意思疎通の継続が重要だとして「フォローアップする場を設け、関係省庁には寄り添った対応をしてほしい」と求めた。
国際原子力機関（IAEA）の包括報告書などを受け「国際社会の正確な理解が確実に広がりつつある」と説明。安全性を確かめる放射性物質モニタリング（監視）を強化し、国内外に情報発信する方針も申し合わせた。
