暴露系アカウント「過激動画」リポストで「懲役5年」!? 指先一本に潜む“大きすぎる代償”

「他人が撮影した動画」の拡散にも大きなリスクが(弁護士JP編集部)

どんな人でも、いつでもつぶやいたり投稿できるのがSNSの魅力。しかし、その反面、閲覧者が見たくない・知りたくない情報も流れてくるのが「嫌」と考える人は少なくない。SNSに数多く存在する暴露系のアカウントでは、過激でセンシティブな画像や動画が連日投稿・拡散されており、目を覆いたくなるものも多い。

つい先日も、東京都内で開催された某花火大会で「路上で裸になって踊る女性」の動画がSNSで拡散される騒動があった。誰が見てもSNSにふさわしくないと分かるその投稿は、たった3日間で約900万回も再生されていた(現在は削除済み)。

このような“公然わいせつ罪に当たるような行為”の動画を撮影した人や、それをSNSで投稿・拡散した人は罪に問われないのだろうか。ベリーベスト法律事務所姫路オフィスの中井和也弁護士に聞いた。

<弁護士の見解①>撮影者は、「懲役1年」「罰金100万円」の罪に?!

“公然わいせつ罪に当たるような行為”の動画を撮影した場合、罰せられる可能性は高く、罰則は次のようになる。

「公然わいせつをしている人間が18歳未満であれば、児童ポルノ所持(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条 ※以下「児童ポルノ禁止法」)違反に該当する可能性があります。罰則として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます」(中井弁護士)

<弁護士の見解②>SNS投稿・拡散者は、もっと重たい「懲役5年」「罰金500万円」の罪に?!

では、“公然わいせつ罪に当たるような行為”の動画をSNSで投稿・拡散した人はどのような罪にあたり、どのような罰則を受ける可能性があるのか。

「自ら撮影した動画を投稿した場合は、わいせつ物頒布(刑法175条)に該当する可能性があります。罰則は、2年以下の懲役もしくは250万円となっています。また、公然わいせつをしているのが18歳未満であれば、児童ポルノ公然陳列(児童ポルノ禁止法7条6項違反)に該当する可能性があります。罰則は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金となっています。

上記の罪と罰則は、自身で撮影した動画を投稿・拡散した場合だけに該当するわけではありません。驚かれるかもしれませんが、ネットで拾った動画を投稿・拡散した場合も、同様の罪と罰則が科せられます。

また、自身は投稿していないが、リポストするなどして拡散した場合も、それによって不特定多数の人がそのリポストを見ることが可能となりますので、同様の犯罪が成立する可能性があります」(中井弁護士)

“公然わいせつ罪に該当するような”投稿と拡散は、絶対にすべきではない

今回のまとめになるが、“公然わいせつ罪に当たるような”過激でセンシティブな投稿は、犯罪であり罰則を受ける可能性があるため、絶対に止めるべきである。自身が撮影したものだけではなく、ネットで拾ってきた画像や動画でも同様であり、リポストなどで拡散する場合も、同等の罪に該当する可能性がある。このことはSNSを利用する者として絶対に忘れてはいけないことである。

そもそもの話ではあるが、自身が見たくない、知りたくない、不快な気持ちになるSNS投稿を見かけた場合は、ブロックやミュートなどをして閲覧できないようにすることをオススメする。それが大人の“SNSとの付き合い方”ではなかろうか。

© 弁護士JP株式会社