人手不足にAI活用や省力化 飲食店、脱コロナで深刻に

リンガーハットが導入したペットボトル交換で済むビールサーバー=6月、東京都大田区

 飲食店の人手不足が深刻化し始めた。新型コロナウイルスの5類化で来客が増えており、民間の調査では8割以上の店が不足感を訴えた。賃上げをしても集まりは鈍く離職も多いため、人工知能(AI)活用のほか手間や負担を減らす省力化で乗り切ろうという動きが広がっている。

 ぐるなびは6月、店員の負担を軽減しようとスマートフォンで注文するシステムに対話型AI「チャットGPT」を搭載する実証実験を東京都内の飲食店で実施した。おすすめを聞いてAIから3候補を提案された男性会社員(28)は「店員が忙しいと話しかけづらいので助かる」。今後、チェーン店向けに導入を目指すという。

 帝国データバンクが8月に公表した調査では、飲食店の83.5%が非正社員の働き手が不足していると回答、全業種で割合は最も高かった。リンガーハットは平均時給を今年6月は前年より31円高い1077円にしたが、大森店(東京都大田区)の坪谷孝美パート店長は「交代要員がおらず気軽に休めない」と話す。

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