20年の所得格差、過去最大水準 コロナ禍、非正規が打撃

厚生労働省

 厚生労働省は22日、所得の格差に関する2021年調査の結果を公表した。世帯ごとの格差を示す指標は、前回17年調査からわずかに悪化し、過去最大だった14年調査と同水準となった。調査対象は、コロナ禍で初の緊急事態宣言が出るなどした20年の所得。非正規労働者らの雇用が打撃を受けた結果、格差が広がったとみられる。

 指標は「ジニ係数」と呼ばれ、1に近づくほど所得格差が大きい。今回、税金の支払いや社会保障給付などを含まない「当初所得」のジニ係数は0.5700で、前回比0.0106ポイント悪化した。

 厚労省の担当者は、政府のコロナ対策により失業率が抑えられるなどしたため、格差は前回から大幅に悪化せず「ほぼ横ばい」としている。

 世帯ごとの当初所得の年間平均額は、1.4%減の423万4千円だった。

 当初所得から税金や社会保険料を引き、社会保障給付を加味した「再分配後の所得」のジニ係数は0.3813で0.0092ポイント悪化した。当初所得のジニ係数と比較すると、格差は33.1%改善したことになる。

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