注目集める超絶技巧の工芸品 「皇室と岡山」展、27日まで

卓越した技が光る彫金細工「神龍呈瑞」などに見入る入場者

 皇室ゆかりの美術工芸品を紹介する特別展「美をたどる 皇室と岡山~三の丸尚蔵館収蔵品より」(山陽新聞社など主催)は27日まで。会場の岡山県立美術館(岡山市北区天神町)には22日も愛好者らが足を運び、日本文化の精華を伝える優品を満喫していた。

 皇居東御苑にある三の丸尚蔵館の新施設建設に伴う休館に合わせて企画。献上やお買い上げなど、さまざまな経緯で代々の皇室に集まった約9800点の収蔵品から約80点をえりすぐり、同美術館所蔵の郷土作家の作品とともに展示している。

 会場には、江戸時代を代表する絵師円山応挙による優美な「牡丹(ぼたん)孔雀(くじゃく)図」や宮内省買い上げとなった洋画家児島虎次郎(高梁市出身)の代表作「なさけの庭」といった名画がずらり。緻密な彫金細工が目を引く「神龍呈瑞(しんりゅうていずい)」、友禅染と刺しゅうで描かれた日本画風の孔雀図など“超絶技巧”の工芸品も入場者の注目を集めていた。

 「神龍呈瑞」に見入っていた入場者(71)=岡山市東区=は「最高の素材と技術で時間をかけて作り上げたであろう素晴らしい作品。ずっと見ていたいですね」と話した。

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