台風と高波で2度延期の熊野大花火大会 バスツアーの予約は当初の3割に…ホテルの予約もキャンセル相次ぐ 3度目の正直は「神に祈る」

1万発もの花火が打ち上げられる三重県の熊野大花火大会が8月17日から22日に延期され、さらに8月29日に延期されました。地元をはじめ4年ぶりの開催を楽しみにしている人たちの声を聞きました。

大海原を前に花火絵巻を堪能できる、三重県の熊野大花火大会。約1万発の花火が300年余り夏の夜空を彩ってきました。熊野市によると、例年、市の人口の10倍以上になる約17万人が全国から訪れていたといいますが…

(名阪近鉄旅行・ツアー企画部 田中圭子課長)
「本当にショック。いつになったら行けるのかという状況で申し込みを変更してもらっている」

コロナ禍で中止を余儀なくされてきた、熊野大花火大会。今年は4年ぶりに復活するということで、この名古屋の旅行会社もバスツアーの販売で期待に胸を膨らませていましたが…

(名阪近鉄旅行・ツアー企画部 田中圭子課長)
「8月17日は1158人のお客さん全員がキャンセル。8月22日もツアーが中止になって820人の予約がキャンセル」

当初、17日開催に向けての予約はほぼ完売。ところが、台風7号の影響で22日に延期となりました。さらに、20日が高波のため、打ち上げの準備を安全に行えないなどの理由で再度の延期が決定したのです。

(名阪近鉄旅行・ツアー企画部 田中圭子課長)
「日程を22日から29日に変更して、今は400人くらいまで減ってしまった」

当初の予約数は1158人。しかし、ダブルの延期で予約は21日時点で410人にまで激減。

それでも田中さんは…

(名阪近鉄旅行・ツアー企画部 田中圭子課長)
「2度も変わったのに参加していただけることはなかなかないのでありがたい。来ていただけるお客さまは精一杯ご案内したい」

ツアーの予約受け付けは24日の昼まで。もうひと踏ん張りしたいところです。

一方、熊野市の会場近くのホテルでも…

(ホテルなみ・向山佳伸さん)
「140人のキャンセルが出ている。影響も甚大」

8月17日の予約は当初、76ある客室全てが一杯となりましたが、花火大会延期の影響で、約60部屋がキャンセルに。

(ホテルなみ・向山佳伸さん)
「本当に神に祈る…それだけ」

22日、花火大会の会場となる七里御浜海岸を訪れると、人の姿はまばらでした。

(東京からきた女性)
「帰省と花火を兼ねて来た。花火も楽しみにしていたので残念な気持ちが少しある。」

会場近くの釣具店では…

(フィッシング嶋勇・嶋俊二店主)
「通常の5倍くらい(飲料水を冷やす氷を)仕入れている。延びたのは残念だが仕方ない。初盆なんですよ、妻がことし亡くなった。妻が花火が好きだったから余計複雑な気持ち」

また、地元の土産店は4年前の開催時には普段の10倍ほどの売り上げがあったといいますが…

(熊野古道 駅前特産品館・林佳蓉さん)
「売れると信じつつ…発注は少なめにして構えている」

やきもきするのは地元観光協会も…

(熊野市観光協会・中平孝之会長)
「(Q3回目の延期の可能性は?)全く考えていない。29日には確実にやれるものだと思っている。夏の終わりのイベントとして、ぜひ見ていただきたいと思う」

熊野市は、最終的な開催の判断は当日午前5時ごろにするとのこと。8月29日の無事の開催を祈るばかりです。

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