愛知県の最低賃金が初めて1000円を超える見通し 41円の引き上げ幅は過去最大 物価が高騰する中で街の20代は「なかなか余裕がない」

愛知県の最低賃金が初めて1000円を超える見通しです。

一方、働く人たちからは「時給が上がっても生活に余裕はない」という切実な声も聞こえてきました。

「時間給1027円では私たちの暮らしを守ることができません」

22日朝、愛知県庁の前で道行く人たちに、さらなる「賃上げ」の必要性を訴えたのは労働団体のメンバーです。

法律に基づいて、雇用する側が労働者に対して、その額以上の時給を支払わなければならないのが「最低賃金」です。

現在、愛知県の最低賃金は986円。

それが10月からは41円引き上げて、初の1000円超えとなる1027円となる見通しです。

41円の引き上げ幅は過去最大ですが、愛労連などの労働団体は「物価上昇などを十分に考慮しておらず、生活を改善する水準ではない」と反発。

最低賃金をもっと大幅に引き上げるよう、22日、愛知労働局長に申し出ましたが、審議の結果、認められませんでした。

1027円になる見通しの愛知県の最低賃金について、街の20代は。

(医療関係)
「(最低賃金が)上がってくれたのは嬉しいが、足りるかというと…。まだもう少し欲しいなという気持ちがある。実際に使えるお金というと、なかなか余裕がない」

今の物価高騰の中、例年以上に節約を心がけているという人も。

(会社員)
「生活が厳しいというのは感じていますね。クーラーは、ちょっとつけながらも温度を1度上げたり工夫している」

(アルバイト)
「安い食材を、安いスーパーを探して、安いときに買うようにしている」

(塾講師)
「自動販売機でジュースを買うにしても、高くなったなと思って買うのを諦めるときがある。(時給が)100円ぐらい上がると良いなと思っちゃう」

最低賃金は上がっても出口の見えない物価の高騰。

節約と生活の工夫が求められる日々が続きます。

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