急カーブ当面徐行・弘南鉄道大鰐線23日再開

脱線事故現場付近でレールの確認作業を行う社員=22日午前、大鰐町宿川原
会見の冒頭、脱線事故についてあらためて謝罪する成田社長(右から2人目)=22日午後、平川市の弘南鉄道本社

 弘南鉄道は22日、脱線事故のため全区間運休している大鰐線(大鰐-中央弘前)を23日に運転再開させることを受け、青森県平川市の本社で会見を開いた。同社は、国の運輸安全委員会の調査結果が出るまで当面の間、事故現場を含めて7カ所ある急カーブ区間を徐行運転し安全面に配慮することを明らかにした。

 同社はこれまでに、事故原因の可能性の一つとして「車輪との摩擦によるレールの摩耗」が考えられると説明している。

 会見では、事故後に行った修繕工事や安全対策などについて説明。現場付近では、レール144メートルとコンクリート製枕木7本、木製4本を交換。事故車両については脱線した台車を交換した。また、それ以外の区間でも急カーブのレールの摩耗検査を実施し、基準の限度に近い数値が連続していた大鰐駅構内のレール約89メートルを交換した。運転再開に向けて、モーターカーによる巡回と実車両で試運転を行い、安全を確認した。

 今後は、急カーブのレールの検査を継続して行い、限度値が連続した場合、計画的に交換を行うとともに整備基準の見直しを図り、レール管理を徹底する。

 冒頭、成田敏社長は事故についてあらためて謝罪した上で「今後は安全第一を強く念頭に置きながら安全運行に努めていく」と述べた。

 22日は、大鰐町の事故現場付近で社員たちがレールや枕木の点検をするなど最終確認していた。

 事故は6日午前11時32分ごろ大鰐町宿川原で発生。大鰐駅を発車した2両編成列車のうち2両目の前部の車輪が、進行方向左側に脱線した。運転士1人と乗客18人にけがはなかった。同社は10日から、バスで代替輸送を行った。

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