和太鼓の聖地に、豪快な演奏と軽快なおはやしが響き渡った。福井県越前町織田地区のオタイコ・ヒルズで8月19日開かれた「O・TA・I・KO響2023」。4年ぶりの制限のない祭典は、県内外9団体が伝統と独創性にあふれた演奏を披露し、本来の活気が戻った。
メインイベントが始まったのは夕刻だが、日差しは強く、立っているだけで汗がにじむ暑さ。大勢の観客が集まり、熱気が充満する中、県内4団体が「恐竜行進曲」を合同演奏し、オープニングを飾った。
NEO囃子(はやし)伝承会(青森)は伝統を重んじつつ、笛や踊りを交えた新しい演奏の形を示した。15年ぶりに出演した勝山左義長ばやし保存会(勝山市)は、観客席にも太鼓を配置。おどけたようなしぐさで打つ「浮き太鼓」を間近で披露し、観衆を喜ばせた。
トリは地元のO・TA・I・KO座明神。直径約1.5メートルの大太鼓などをリズムよく打つ姿はエネルギーに満ちあふれ、重厚な音が心と体に響き渡った。