茨城・筑波実験植物園 児童、オンライン授業 チョコから社会問題学ぶ

チョコレートができる過程について紹介する、筑波実験植物園の堤千絵研究主幹=つくば市天久保

身近な食べ物を通じて、小学生に社会問題について考えてもらおうと、明治安田生命(東京)と国立科学博物館(同)は22日、「チョコレートからSDGsを考える」をテーマにオンライン授業を開いた。同館筑波実験植物園(茨城県つくば市天久保4丁目)の研究員が講師を務めた。参加した子どもたちは、児童労働や不公正な貿易など、チョコレートを巡るさまざまな問題に触れ、解決策を考えた。

授業は同社と同館の連携活動の一環。国連の持続可能な開発目標(SDGs)について理解を深めてもらう狙いがある。同園を拠点に、全国4会場をオンラインでつなぎ、小学4、5年の児童約30人が参加した。

同園の堤千絵研究主幹が講師となり、チョコレートの原料であるカカオの特徴や、チョコレートができるまでの過程を、映像やクイズを交えながら紹介。カカオの生産国では、貧困のために働かざるを得ない子どもがいたり、生産者に適正な賃金が支払われず公正な商取引が行われていなかったりするなどの問題点について解説した。

参加した子どもたちは解決策について問われると、「生産農家に寄付する」「チョコレートの単価を高くする」「世界中の人に知らせる」などと、それぞれ真剣に意見を述べた。

授業終了後、堤研究主幹は「身近なところにも、SDGsに関わる問題があることを知るきっかけにしてもらいたい」と期待を込めた。

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