多部未華子が4人主演のドラマ「いちばんすきな花」1人目のヒロイン。「silent」スタッフ再集結で紡ぐ“愛”の物語

多部未華子が、フジテレビ系で10月にスタートする連続ドラマ 「いちばんすきな花」(木曜午後10:00、開始日未定)で主演を務めることが分かった。「男女の間に友情は成立するのか?」をテーマに、4人の男女が紡ぎ出す友情と恋愛を描く作品で、同系連ドラ初主演を果たす。

「いちばんすきな花」は、4人の俳優が主演を務める“クアトロ主演”という新しい形のオリジナルドラマ。フジテレビ系で2022年10月期に放送された「silent」の村瀬健プロデューサーと脚本家・生方美久氏が再びタッグを組み、年齢も性別も過ごしてきた環境も違う4人による、見る者の心を静かに揺さぶる新たな時代の“友情”の物語だ。

主人公は、潮ゆくえ、春木椿、深雪夜々、佐藤紅葉。全く違う4人が「唯一心を許せた異性の友達が、結婚を機に友達ではなくなってしまった」「結婚を考えていた彼女を、彼女の男友達に奪われた」「友達になりたいだけなのに、異性というだけで勝手に恋愛と捉えられてしまう」「友達の友達もみんな友達と思っていたが、気付けば本音を話せる相手はいなかった」と、それぞれの日常の中で、友情や恋愛にまつわる人間関係の問題に直面してしまう。

境遇だけでなく、考え方も全く違う彼らが巡り会い、友情や恋愛というテーマに自然と向き合うことで、それまで別々のものだった4人がいつしか重なり合い、一つの物語となっていく。4人の間に生まれる感情と、彼女たちを取り巻く人々との間に生まれる感情を丁寧に描きつつ、“本当に大切なものは何なのか”を考える。愛すべき登場人物たちを優しい気持ちでずっと見つめていたくなる、クスッと笑って、フワッと泣ける、友情の物語であり、同時に恋愛も含めた“愛”の物語となる。

多部が演じるのは、新潟から上京し妹と2人で暮らす、学習塾の講師・ゆくえ。子どもの頃から勉強も運動も人間関係も全部頑張ってきたが、「頑張ると嫌われる」ということも知っている。女友達に本音を語ることが苦手で、居心地の悪い思いをしてきたゆくえは、学生時代に1人だけなんでも話せる男友達がいたが、ある日突然、友情関係は終わりを迎えてしまう。その男友達を失って全部を頑張れなくなったゆくえが、ふとした出来事により、椿、夜々、紅葉と出会うことになる。

「ゆくえは自分の本音をなかなか言えず、人に合わせようとして生きてきました。誰かが何げなく言ったささいな一言が心にずっと残っていたり、自分の本音とは裏腹な態度を取ってしまったり。そんなことは誰にでも日常的に起こり得ることですし、同じような思いをしている方は、世の中にたくさんいるんだろうなと思っています。そういう意味で共感しやすいキャラクターだと思います」と紹介する多部。

加えて、生方氏が書くセリフが魅力的だと語り、「そんな印象に残るセリフを私自身も発してみたいと思い、参加させていただきたいと思いました。これから自分が演じる役がどうなっていくのか、すべてのキャストの行く末が気になります。まだ想像がつきません」とコメント。そして、「見てくださる方の心に留まる作品になればうれしいなと思います。頑張ります!」と意気込んでいる。

そんな脚本を務める生方氏は、若手脚本家の登竜門とも呼ばれ、野島伸司氏や坂元裕二氏など数多くの作家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」の第33回(21年)で、「踊り場にて」が大賞を受賞。これまで、コンクール出品作以外の脚本は一度も書いたことがない新人ながら、完全オリジナル作品で脚本家デビューを果たした「silent」は、登場人物と同世代の生方だからこそ描ける等身大でリアルなセリフや、印象的なシーンの数々で世間の話題をさらった。そして、連続ドラマ2作目となる「いちばんすきな花」では、「男女の間に友情は成立するのか?」という永遠の命題をテーマのドラマを執筆する。

生方氏を見いだし、今回もタッグを組む村瀬プロデューサーは「彼女にしか描けない、彼女だからこそ描ける“友情”の物語です」と自信を見せる。演出も「silent」を丁寧に作り上げた髙野舞氏が担当。同局で16年に放送された「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」も共に手掛けた村瀬氏が「“優しさ”を映像にしてくれる最高の監督だと思っています」と信頼を寄せるメンバーが集結した。

「“男女の間に友情は成立するのか?”この永遠のテーマをいつかドラマにしたい。ずっとそう思っていました」と述べる村瀬氏。このテーマを物語にするのは難しいと感じているそうだが、「生方美久さんと出会い、一緒に『silent』を作ったことで、彼女とならこの難しいテーマを面白いドラマにできるんじゃないかと思いました」と明かす。

そして、「このテーマでやってみませんか?」と生方氏に提案したところ「想像をはるかに超えた、とんでもなく面白い物語を生み出してくれました。しかも“4人主役”という、これもまた僕がいつか挑戦したいと思っていたアイデアを最高な形で生かした、見たことのない新しいドラマになっています」と興奮気味に手応えをうかがわせる。「性別も年齢も境遇も違う男女4人、それぞれの“思い”を丁寧に描きながら、4人の“思い”が交錯することで物語が展開していく、今までにないドラマになっていると思います」と説明した。

ゆくえ役には多部が最初に頭に浮かんだと振り返る村瀬氏。主演に迎えられたことを喜び、「このドラマにとって最高の幸せです。少女のような可憐(かれん)さを持っていて、なのに大人の冷静さも同時に感じさせる多部さんのあの特別な魅力に強くひかれていました。また、どんな役も納得感のある”共感キャラ”にしてみせる説得力のあるお芝居も素晴らしく『いつかご一緒したい!』とずっと思っていました」と目を輝かせる。「本作のテーマを物語化するのにこれ以上ない方だと思っていたので、オファーを受けてくださった時には、あまりにもうれしくてあからさまにガッツポーズをしてしまいました」とのこと。

多部が演じるゆくえを、誰よりも楽しみにしているということで「多部さんだからこそ演じられるゆくえに、きっと多くの方が共感してくださることと思います。多部さんに加え、これ以上ない最高のキャストの皆さんが、あと3人そろってくださっています。それが一体誰なのか? 予想しながら、楽しみにしていただけたらうれしいです!」と呼び掛けている。

© 株式会社東京ニュース通信社