小学生が通る通学路の見通しをよくしようと、広島県福山市北本庄の会社員村上豊久さん(55)が自宅のブロック塀を一部撤去した。「交通量が多く危ない場所。子どもたちの安心安全につながれば」と願っている。
村上さんの自宅前の市道交差点は樹徳小(同市木之庄町)の通学路で、自転車の中学生も通る。信号や横断歩道はなく、スピードを出して通過する車が目立つという。
「児童が危ない」との地域住民の声を聞いた村上さんは5月、勤務する電気設備会社の機材を借り自宅のブロック塀を切断。高さ約1・5メートルの塀の一部の上半分を除いた。
村上さんの取り組みを知った近くの会社役員斎藤敏道さん(72)たちが隣家の所有者に了承をとり、隣家の塀も一部撤去された。交差点に進入する車などから通行人の姿が見えやすくなった。
村上さんは「通勤時間帯にスピードを出す車がまだ多い。交通安全を考える人が増えれば」と話した。