「立ち上がった時の感動、忘れられない」 首里城にバスケットリング設置 100年前の資料から復活 27日まで

 沖縄で初めてバスケットボールの試合が行われたとされる首里城に、バスケットリングとボールを設置するプロジェクトの完成セレモニーが22日、首里城公園内の首里杜館前広場で催された。制作に関わった首里高生と県立芸大生らが芸大体育館からリングを運び出し、首里城公園内に設置した。リングは27日まで公園内に置かれる。25日からFIBAバスケW杯開催に合わせ、沖縄バスケット情報誌アウトナンバーが発起人となる「沖縄バスケットボール100年祭」の一環。

 沖縄のバスケ史に詳しい県立芸大の張本文昭教授によると、100年前の1923年8月に体育教員の玉城亀壽(きじゅう)さん=沖縄戦で死去=が島尻で競技バスケを紹介したのが、沖縄のバスケの始まりとされる。ボールとリングの寸法などが記された当時の資料を参考に張本教授が制作を監修した。リングは首里高と芸大の有志に、火災で焼失した首里城の復元に携わる宮大工ら大人も関わって造られた。

 リング復元に携わった首里高3年の知花史騎(ひとき)さん(18)は「リングが立ち上がった時の感動は忘れられない」と話した。

 牛革でボールを制作した芸大2年の辺土名奏位(かない)さん(20)は「バスケが沖縄に来て100年という節目に、競技の発信につなげたい」と語った。

 沖縄でバスケの試合が初めて行われたことを示す記事は、1905年10月19日付の琉球新報に掲載されている。張本教授は、記事でプレーしていたと書かれている女学生が、校舎にしていた首里城でバスケをしていたとみている。

 (梅田正覚)

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