茨城「布川事件」で再審無罪の桜井さん死去 76歳 水戸市内の病院

桜井昌司さん

茨城県利根町布川で1967年に男性が殺害された「布川事件」で無期懲役となり、再審で無罪が確定した桜井昌司(さくらい・しょうじ)さんが、23日午前10時30分、直腸がんのため、水戸市内の病院で亡くなった。76歳。葬儀・告別式は31日午後1時から水戸市堀町の市斎場。喪主は妻、恵子(けいこ)さん。

67年に県警に逮捕され、78年に強盗殺人罪などで無期懲役が確定。共犯とされた杉山卓男さん=2015年死去=と獄中から無実を訴え続けた。01年に第2次再審請求し、09年に再審開始が確定。11年に水戸地裁土浦支部の再審公判で無罪となった。逮捕から仮釈放されるまでの身体拘束は約29年におよび、無罪となるまでに約44年を要した。

12年には国と県に賠償を求め提訴し、捜査の違法性が認められ、21年、国と県に賠償を命じた東京高裁の判決が確定した。

再審無罪後は、三重の名張毒ぶどう酒事件などの元被告や遺族が冤罪(えんざい)を訴える活動を支援した。

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