除草剤散布認める ビッグモーター、茨城県内3店舗 県は被害届提出へ

道路の植え込みが一部だけなくなり、地面があらわになったビッグモーターひたちなか店前=ひたちなか市新光町(7月27日撮影)

中古車販売大手ビッグモーターの茨城県内3店舗前で街路樹が枯れたり、植栽がなくなったりしている問題で、県は23日、同社がいずれの店舗前でも植樹帯への除草剤散布を認めたと発表した。つくば店(つくば市学園の森)については、これまで散布を認めていなかったが、一転して認めた。県は同店前の枯死について、県警に器物損壊容疑で被害届を提出する方針。

街路樹が枯れたり、植栽がなくなったりしたのは、つくば店、ひたちなか店(ひたちなか市新光町)、アウトレット阿見店(阿見町よしわら)の計3店舗前の県道や県管理の国道。

県によると、同社本部の担当者らが22日、県庁を訪れ、3店舗前の植樹帯への除草剤散布を認めて謝罪した。土壌の入れ替えを含め、街路樹や植栽の原状回復に関する申し出もあったという。

つくば店前の街路樹を巡っては、同社は県の聞き取りに除草剤散布を否定していたが、その後の社内調査で散布が判明。県は既に同店前の土壌調査に着手しており、成分分析は続ける方針。

除草剤散布の意図について、同社側は県に対し、月1回の「環境整備点検」で本社から厳しい指導を受けないよう、雑草除去の一環で実施していたとみられるとの見方を示したという。

県は、器物損壊罪の時効3年を踏まえ、2020~22年に枯死したとみられる同店前の被害について、県警に被害届を提出する。ほか2店舗の街路樹や植栽については既に時効が成立した可能性があり、提出は見送る考え。

県道路維持課の井上和則課長は「街路樹は県有財産で、(除草剤散布は)非常に遺憾。早急に原状回復が進むよう、しっかり指導していきたい」とした。

店舗前の街路樹や植え込みがなくなったビッグモーターアウトレット阿見店=阿見町よしわら

© 株式会社茨城新聞社