「山姥切オーナー証」返礼品に 足利市がCFの概要公表 特別展で優先予約権、ノベルティも

オリジナルオーナー証のデザインを発表する早川市長

 安土桃山時代の刀工・堀川国広(ほりかわくにひろ)が鍛えた名刀「山姥切(やまんばぎり)国広」(国重要文化財)の取得に向け、栃木県足利市は21日、購入費を募るクラウドファンディング(CF)などの概要を公表した。目標額は1億円で、支援した人への返礼品として、特別展の優先予約権やノベルティ贈呈などを特典とした「オリジナルオーナー証」を発行する。早川尚秀(はやかわなおひで)市長は「本市の宝として末永く守り未来に伝えていくため、協力をお願いしたい」と呼びかけた。

 山姥切は、市の外郭団体「市民文化財団」が所有者から3億円で購入する予定。購入額のうち2億円は財団が資産から捻出し、1億円は市がCFやふるさと納税で募る。市は購入に向け、「縷縷(るる)プロジェクト」を立ちあげ、各種事業を展開する。

 CF(特典付き)の寄付額は、5千円から100万円までの6種類で、支援者にデジタルデータのオーナー証を発行する。所有権は伴わないが、限定情報配信やデジタル上の寄付者名簿への掲示の特典がある。また寄付額に応じ、2025年1~3月ごろに開かれる特別展の優先予約権やデジタルアート、限定ノベルティといった特典も得られる。最高額の100万円の場合、オーナー限定内覧会や山姥切の「手入れ」見学会などにも参加できる。

 オーナー証には有効期限があり、1万円は3年、10万円(100口限定)は10年とした。100万円(30口)のみは永年。CFは住民税の税額控除を受けられるが、足利市民はオーナー証などは受け取れる一方、ノベルティなど有償の特典を受け取ることができない。専用サイト「READYFOR」で受け付ける。受け付けは9月1日から10月31日まで。目標額に届かなかった場合は、期間を延長する可能性がある。

 ふるさと納税は、個人向けと企業向けを用意した。個人向けの返礼品として、ロゴ入りトートバッグなどを予定している。

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