西川貴教も意気込む日本初演作「人生にとってロックな瞬間」

新型コロナによる公演中止を乗り越え、ようやく日本初演が実現する『スクールオブロック』。8月の東京開幕を経て、9月には大阪へ上陸する。Wキャストで主演をつとめる西川貴教&柿澤勇人のリモート取材がおこなわれ、意気込みを語った。

ミュージカル『スクールオブロック』でW主演を務める西川貴教と柿澤勇人(写真/荒川潤)

■ 「日本はもっとおもしろくなるんじゃないか」(西川)

売れないロックミュージシャン・デューイが、教師になりすまして潜入した名門進学校で、生徒たちとバンドを組むというストーリー。ミュージカル版は、思わず口ずさむほどキャッチーなナンバーの一部を、子どもたちが生演奏するのが大きな見どころ。ロックを通して大人も子どももそろって成長するという、明るい希望とロック愛に満ちあふれた作品だ。

ミュージカル『スクールオブロック』の公演ビジュアル

オーディションを勝ち抜いて集まった子どもたちについて、柿澤は「最初は言うことを聞かなくて、(翻訳・演出の)鴻上(尚史)さんが50回はブチ切れてましたね(笑)。でもとんでもない化け物たちなので、彼らとやっていると『負けてられないな』と引き上げてもらえる。救われているところがあるのかなと思います」と期待を込めた。

西川も「子どもだと思ったら逆になめられる。マウントを取らせないようにしないと(笑)」と対抗心を見せる一方で「えりすぐりの個性の濃い子たちぞろい。よく没個性の世のなかなんて言われているけど、彼らみたいな子がたくさん増えたら、日本はもっとおもしろくなるんじゃないかと思います」と称賛した。

■ 「楽しみより、逃げたくなるほど不安」(柿澤)

演じるデューイに関しては、2人とも「前世でなにかひどいことしたのかと思うほど、茨の道」(西川)「楽しみより、逃げたくなるほど不安」(柿澤)と、そろって弱気な発言を。

ミュージカル『スクールオブロック』でW主演を務める(左から)西川貴教、柿澤勇人(写真/荒川潤)

柿澤は「最初から、アクセルをベタ踏みでいくようなテンションが求められて、毎日どうやってもラクはできない。(1日で)2公演やったら倒れると思う」と苦笑しつつ「鴻上(尚史)さんの演出は自由度が高くて、間口が広い。子どもたちに教えていることを聞いて、僕らも『そうなんだ』と思うところがたくさんあるので非常に勉強になります」と、充実感もある模様。

西川もまた「歳を重ねると、大汗をかいて必死になる瞬間とか見せたくないと思うもの。でも、このカンパニーとそんな時間が過ごせていることは、やっぱり人生にとってすごくロックな瞬間なのかなと思うし、そういう作品にできたらいいなと思います」と希望を語った。

西川と柿澤のほかには、濱田めぐみ、梶裕貴・太田基裕(Wキャスト)、はいだしょうこ・宮澤佐江(Wキャスト)などが出演。8月の東京公演を経て、大阪は9月23日~10月1日に「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)にて。チケットはS席1万3500円ほか、現在発売中。Wキャストのスケジュールは、公式サイトにて。

取材・文/吉永美和子

ミュージカル『スクールオブロック』

会場:新歌舞伎座(大阪府大阪市天王寺区上本町6-5-13 YUFURA6階)
期間:2023年9月23日(土)~10月1日(日)
料金:S席(1・2階) 1万3500円、A席(3階) 9500円、特別席 1万5000円

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