迫る?9.11岸田内閣改造 支持率回復へ最後の切り札 菅氏のSNS投稿も話題

岸田文雄首相(資料写真)

 自民党総裁の岸田文雄首相が9月11日を軸とした内閣改造と党役員の刷新に向け、準備のピッチを上げている。人事は「内閣支持率回復の最後の切り札」(同党幹部)とされるだけに、支持率が持ち直すようであれば、秋風ならぬ“解散風”が強まりそうだ。

 「ありがたいよね」。23日の官邸では、菅義偉前首相が前日に発信した「X」(旧ツイッター)がスタッフ間で話題となった。

 「政府はアルプス処理水の海洋放出開始を決定し、24日の開始見込みを公表しました。私が総理として決めた2021年4月の政府方針に基づくものです。福島復興を実現する上で大きな一歩です」。政府関係者は「政治家は国民が歓迎する政策なら『自分がやった』と自慢しても嫌がることはだんまり。でも菅さんは一緒に泥をかぶってくれた」と感謝。

 一方、野党は「勝つためならなりふり構わず結束に走るのが自民。解散をにらみ生命維持装置を動かし始めた」(立憲民主党議員)と警戒を強める。

 岸田首相は漁業者から批判を浴びながらも処理水放出を決断。ガソリン補助金の10月以降の延長を政府内に指示するなど「解散判断に向けた障害物」(内閣府スタッフ)除去に懸命だ。海外研修を「観光旅行」と批判された松川るい参院議員の問題でも、党幹部に苦言を呈して女性局長辞任への流れを促したとされる。

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