米の味を多彩な表現で 用語リスト化、PR活用も想定 農研機構・伊藤忠食糧

甘い風味、香ばしい香り――。農研機構と伊藤忠食糧は23日、ご飯のおいしさを表現する約100の用語をまとめたリストを作成したと発表した。品種や炊飯方法ごとに異なるご飯の多彩な特徴を具体的に伝えるツールとしての活用を想定。続々と登場するブランド米の商品開発や販促にも一役買いそうだ。

リストは、外観、香り、味・フレーバー、食感の4項目ごとに、「つやがある」や「甘味がある」「しゃっきりした」といった用語をまとめた。用語を収集するための実食では、全流通量(2019年度)の8割をカバーする品種の米を使用。今後、用語の定義や例示も加え、辞書のように使える用語体系の完成を目指す。

米飯品質をめぐっては、新品種の登場や、調理用途に合わせた特徴が求められる中食・外食需要の増加で、品質を的確に表現する必要性が増している。

リストでは、品種育成から販売までの各段階で使われる言葉を共通言語化。「おいしさや特性をより正確に表すことで、米や米飯の高品質化、需要拡大に貢献する」(同)としている。

24日に始まる日本食品科学工学会第70回記念大会で発表し、リストは順次公開していく予定という。 斯波希

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