消費トレンドは「タイパ」 31日は「野菜の日」 食品各社が調査

31日の「野菜の日」に向けた食品関係各社の調査で、野菜消費のトレンドに「タイムパフォーマンス(時間対効果)」が浮上した。手間と時間をかけず、効率よく栄養バランスの良い食べ方を、野菜に求める傾向が表れた。

カット野菜製造大手のサラダクラブ(東京都調布市)は23日、消費者の野菜とサラダに対する意識を調査した「サラダ白書2023」を発表した。調査は14回目で、20~69歳の男女2060人にウェブでアンケートした。

野菜不足解消に利用したい商品は、パッケージサラダが45%と、野菜ジュース(40%)に差をつけて2年連続の1位。パッケージサラダを利用する場面は、「時間がない時」(49%)「料理が面倒な時」(47%)と続き、利用方法は「袋を開けてそのまま/トレーのまま」が20~50代男性は5割近くを占めた。

「サラダを作る時に重視すること」は「栄養バランス」が37%と最多で、「新鮮さ」が34%、「手間をかけない」が33%。主要購買層の20、30代女性は「時短」「お金をかけない」の声が多かった。

同社は「“タイパ”を高めたい時流の中、より手間や時間をかけず洗い物も減らす食べ方を好む人が多い」と分析。ニーズに応える新商品として、「カラダがよろこぶサラダ」シリーズを発表した。野菜の栄養素をパッケージに表記し、自分に合ったサラダを選べるのが特徴。手軽に食べられるよう、皿不要のトレータイプとした。

食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地(品川区)が展開するOisixは23日、自社の青果バイヤーが選ぶ「トレンド野菜8選」を発表した。生でおいしい「しら姫玉ねぎ」、軽くゆでるだけの「サラダれんこん」、下処理済みですぐ使える「種とりハーフカットゴーヤ」など、簡便性の高い8品を選んだ。

同社は4月、10代~60代以上の会員1483人に「アフターコロナ」の食事準備の変化についてウェブアンケートを実施。1年前と比べ調理時間が「減った」「やや減った」割合が59%に上る一方、「増えた」「やや増えた」は1割強と少なく、“タイパ”ニーズの高まりを裏付けた。

40年節目に試食販売会 全青連

「野菜の日」を前に、青果小売店の団体が27日、東京都渋谷区のJA東京アグリパークで試食販売イベントを開く。全国のご当地野菜や旬の青果物、スムージーなどをそろえ、野菜の魅力をアピールする。

青果小売店などで組織する全国青果物商業協同組合連合会(全青連)青年会が主催する。同連など9団体は、1983年に「や(8)さ(3)い(1)」の語呂合わせで「野菜の日」を制定。今年で40年を迎える。

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