政府、北朝鮮に厳重抗議 破壊措置命令の継続検討

北朝鮮のミサイル発射を受け、取材対応する岸田首相=24日午前5時16分、首相官邸

 日本政府は24日、北朝鮮が衛星発射を試み、ミサイルが沖縄県付近の上空を通過したことを受け、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議した。先に米国で開催された日米韓3カ国首脳会談を踏まえ、日米韓で連携して対応する構え。北朝鮮側が10月の再発射を予告したことから、自衛隊への破壊措置命令の継続を検討する。

 岸田文雄首相や松野博一官房長官らは未明に急きょ官邸に集まり、国家安全保障会議(NSC)会合で状況を分析。首相は、日本上空を通過させる形での発射は国民の生命、財産に重大な影響を及ぼし得る行為だとして、落下物による被害の有無の確認などを関係省庁に指示した。

 松野氏は臨時記者会見を2回行い、発射を「地域と国際社会の平和と安全を脅かすものであり、国際社会全体への深刻な挑戦だ」と非難した。

 ミサイルは複数に分離し、このうち一つが午前4時ごろ、沖縄本島と宮古島の間の上空を通過したと説明。日本領域への落下や被害は確認されず、自衛隊による破壊措置は実施しなかったと述べた。命令継続の要否については協議中とした。

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