最低賃金、茨城県が審議会に質問状 引き上げ額の理由問う

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県は23日、茨城地方最低賃金審議会の清山玲会長に対し、最低賃金引き上げ額決定の理由などを確認する公開質問状を大井川和彦知事名義で提出した。茨城県の最低賃金は7日、同審議会から茨城労働局長に対し、42円引き上げて953円に改定する内容の答申があった。990円程度が適当と指摘している。県が同審議会に質問状を提出するのは初めて。

質問状では、茨城県の経済実態を示す総合指数が全国9位であることを踏まえ、「経済指標を考慮すると最低賃金額も全国9位相当の990円程度が適当」と指摘。10月改定の最低賃金額は全国15位で、指数順位とは差がある状況。

国の中央最低賃金審議会は7月、経済情勢に応じ、都道府県をA-Cの3ランクに区分け。引き上げ額の目安をAが41円、茨城県を含むBは40円、Cは39円と決定し、各都道府県の地方審議会が実際の金額を議論していた。

他県では地域間格差などを考慮し、中央審議会が示した改定の目安額に最大8円上乗せする積極的な引き上げがある中、茨城県は目安額からの上乗せが2円だった。同じBランクの島根県は7円を上乗せ。また、近隣の千葉県や埼玉県では最低賃金が千円を超えている。

茨城県は「最低賃金改定の目安40円に2円のみが上乗せされた額であり、経済実態の反映や近隣他県との格差是正に配慮されたものとは考えられない」と判断。引き上げ額決定の理由などについて、8月中の回答を求めた。

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