青森県立中央病院、看護師不足で病床再編へ コロナ禍で離職者増、入院受け入れ影響なし

 青森県立中央病院が、9月1日から6階東病棟57床の運用を一時停止する方針であることが23日、県病への東奥日報の取材で分かった。同病棟内の呼吸器内科と呼吸器外科の病床は別病棟に移して運用を継続する予定。これに伴い、その他の診療科の病床についても一部配置を組み替える。新型コロナウイルス禍で看護師の離職者が増え、病棟の看護師不足が深刻化したため。入院患者の受け入れなどには影響ないという。

 県病によると、コロナ禍以降、看護師が減少。2023年4月1日時点で正職員の看護師は710人で、20年同期比で24人減となった。人手不足により、現在勤務する看護師の負担が増え、さらなる離職者の増加につながる恐れがあることから、6階東病棟を停止する検討に至ったという。

 また、感染拡大による受診控えなどの影響もあり、19年度まで80%台だった病院全体の病床利用率が、コロナ禍後は70%台前半まで下落。利用率低迷により、空き状態となった病床分を停止することで、医療資源の効率的な活用を図る。

 6階東病棟の停止に先立ち今月1日からは、ICU(集中治療部)に次ぐ重症患者の治療を行うHCU(高度治療部)6床の運用を一時停止。HCUでの治療が必要な患者は、一般病棟で対応している。6階東病棟とHCUの停止、移設により、全診療科のうち約半数が病床の配置を組み替え、9月から移設先の病棟で運用を開始する予定。

 県病は、病床利用率や看護師数の回復状況次第で早ければHCUを来年4月、6階東病棟を25年4月にも再稼働させたい意向。

 県病院局運営部経営企画室の小笠原俊彦室長は、東奥日報の取材に「停止となるのは使われていない病床分。入院患者の受け入れや外来診療には影響しない」と説明した。

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