リンドストローム、フィンランドで勝利のエバンスを称賛「ドライビングがとても良くなっている」

 TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のスポーティング・ディレクターを務めるカイ・リンドストロームは、WRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドで優勝したエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)の今シーズン中盤戦での速さを称賛した。

 今季2023年、エバンスは第5戦ポルトガルでクラッシュを喫してしまったが、それ以外のラウンドではおおむね好調な走りを見せている。第3戦メキシコでの表彰台獲得を皮切りに、続く第4戦クロアチアで今季初勝利をマーク。前戦フィンランドで2勝目を挙げるなど、ここまで9戦のうち7戦でトップ4入りを果たしている。

 9月7~10日にギリシャで開催されるアクロポリス・ラリー・ギリシャを前にした段階でのドライバーズランキングは2位。選手権リーダーであるチームメイトのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)とのギャップは25ポイントだ。

 そんなエバンスの走りを高く評価しているのが、トミ・マキネンやクリスチャン・ソルベルグ、キミ・ライコネンらのコドライバーを務めたリンドストロームだ。

「エルフィン(・エバンス)の走りは素晴らしいものだった。とくにフィンランドでのフルデイ2日目(デイ3)の朝は本当に素晴らしかった」と54歳のフィンランド人はWRC.comに語った。

「イベントの前にラリー・フィンランドについて話したとき、彼の名前はやや影が薄く印象に乏しかった。人々は彼が以前フィンランドで勝っている(2021年に優勝している)ことを忘れていた」

「エルフィンはハイスピードラリーを得意としており、我々はそれを以前にも見ていた。彼はいまとても順調に進んでいる。カッレ(・ロバンペラ)やオット(・タナク)らと戦ってフィンランドで優勝できたことは、彼にとって非常に良いことだったと思う」

「私はフィンランドで何度も戦っているので、フィンランドでのラリーがどれほど大きなことであるかを知っている。ここでの勝利は良い自信を与えてくれる」

「エルフィンのドライビングはとても良くなっているし、今シーズンの彼はとても強いよ」

 世界選手権のタイトル獲得を目指すエバンスは次戦、ギリシャのラミアで行われる“神々のラリー”でより良い幸運を探している。というのも、彼のトヨタGRヤリス・ラリー1は1年前のギリシャで、最終日の朝にターボトラブルに見舞われリタイアとなっているのだ。シーズン残り4戦で“現王者”ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組を追い詰めるためには、同じことを繰り返すわけにはいかない。

元WRCコドライバーで現在はTOYOTA GAZOO Racing WRTのスポーティング・ディレクターを務めているカイ・リンドストローム
シリーズランキング2位につけているエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(TOYOTA GAZOO Racing WRT) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド

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