茨城知事、東電への不信が不安に 電話で社長に伝える

記者会見する茨城県の大井川和彦知事=24日午前、水戸市

 茨城県の大井川和彦知事は24日の定例記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出開始について、東電の小早川智明社長から23日に電話があったとし、「東電に対する不信感が不安をあおっている。経営の都合ではなく、漁業者目線での対応を取ってほしい」と要望したと明らかにした。小早川社長は「検討します」と回答したという。

 その上で大井川知事は「IAEAの報告書など、安全性への理解は進んでおり、やむを得ない側面はある」との認識を示した。一方で「漁業関係者の理解なくして放出しないということだったが、いまだに漁業者は反対の立場だ。国や東電は寄り添った対応をする責任がある」と注文した。

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