全体の仕組み理解を、国土交通省自動車局審査・リコール課長 小磯 和子氏 新興メーカー等丁寧に対応、キーパーソン

認証関係の喫緊課題はメーカーの不正問題。再発防止策へ実施状況のフォローとともに、原因究明等調査中の事案も結果を踏まえ適切に対応する。「メーカーも認証制度の運用も目指すことは同じであり、しっかり進めていきたい」。
 7月1日付で着任。関係者とは「カーボンニュートラルやデジタル技術の活用を念頭に置いた話が多い」と実感する。国内外新興EVメーカーの相談が増えており、「認証制度への知識など、これまでのメーカーとは違う対応が想定される。入り口の保安基準適用も勿論だが、その後の継続的な品質確保、管理など全体の仕組みを理解いただくことが大事」と丁寧に対応していく。
 審査リコール課では2012年2月に不具合情報調査推進室長に着任、「情報収集の機能が強化され、その後、タカタ製エアバック問題が発生した。今回戻って、回収も皆さんの協力で進んでおり引き続き適切に対応していきたい」。
 不具合情報の収集では4月から電動キックボードで販売情報など専用窓口を設けた。収集した情報をもとに関係省庁と必要に応じて連携していく。
 18年7月から技術政策課で自動車基準協定対策官を務めた。高齢運転者の事故が社会的問題となり、様ざまな措置の検討を行った。事故防止へ安全装置など認定制度に携わる中で、業界が「何らかの対応が必要とかなり強い意識もっておられ印象深い」と振り返る。
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 小磯 和子氏(こいそ・かずこ)1996年東大工卒、運輸省入省。軽自動車検査協会審議役などを経て21年自動車技術総合機構交通安全環境研究所自動車認証審査部長。福島県出身、51歳。余暇は散歩、読書や「娘たちとのおしゃべり」。

 

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