「カメラを止めるな!」出演がきっかけでイラストレーターに!? 俳優 眼鏡太郎が初の個展を下北沢で開催

「夢は口にすればかなう」をまさに地で行くとは、彼のことではないだろうか。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が主宰を務める劇団、ナイロン100℃の所属俳優である眼鏡太郎(がん きょうたろう)さんが、8月29日から31日に初めての個展『眼鏡太郎の個展』を「演劇の聖地」下北沢で開催する。眼さんは最近、ジップロックのCM「閉めると開ける」篇で福原遥さんと、カレーハウスCoCo壱番屋のCM「THE牛カレー」篇で山田裕貴さんと共演中だ。

俳優に加えて「イラストレーター」という肩書を持つことになった眼さんだが、意外にもそのきっかけは2017年に映画「カメラを止めるな!」に出演したことだった。

「『カメラを止めるな!』が大ヒットして、グッズを作ることになったんです。ありがたいことに、僕も参加させてもらいました。それで『カメ止め』関連の取材を受けた時に『kufura(クフラ)』(kufura.jp)という、子育て世代のウェブマガジンの編集長がいらして、僕の絵に興味を持ってくださり『イラストで育児日記の連載をやってみませんか?』とお話をいただきました」

絵を描くことは元々好きだったというが「誰かに見せられるような技術はない」と思っていたという。「だから、4年も連載が続いてるなんて、不思議な感じです」と笑う。

眼鏡太郎の個展

当初、どんな絵を描いたらいいか悩んでいたというが「ある画家さんの作業シーンを動画で見たんです。その方は筆1本で、短時間で1枚の絵を仕上げたんですね。それで『どんなやり方でも、完成すれば作品なんだ』と気が付いて。それまでは自分の中で、絵を世に出すことへのハードルを勝手に高くしていたんですよね」と振り返る。

以来『できる範囲で』『シンプルに』『面白いを意識し過ぎない』ことを心がけ、肩の力を抜いて連載を楽しんでいると言い「ちょっと怖いけど、そういうものがあってもいいよねという気持ちと、その良さが伝わればいいなと思ってます」

「やりたい事を口にしたら、とんとん拍子に夢が動き出した」

そして連載から数年、パソコンのイラストフォルダに積み重なっていく作品を見て、漠然と「個展がやりたいな」と思うようになったそう。「本当に『いつか』という感覚だったんですけど、突如として動き出しました」。実はこのきっかけも、出演舞台からだったというのだ。

「誰かのために絵を描くことが楽しいと思うようになって、パルコプロデュース『海王星』に出演した時に、皆さんの似顔絵を描いてポストカードにしてプレゼントしたんです。この時の現場制作スタッフの方が、ナイロン100℃の元制作さんでして、『スケジュールの都合がついたから、やるなら今だ』と(笑)」

「せっかくなら、演劇生活で慣れ親しんでいる吉祥寺や高円寺、下北沢でやりたいなと思ってたんですけど、本当に下北沢で実現することになって、すごくうれしいです。会場でお待ちしていますので、よかったら足を運んでくださいね」

個展では20点ほどの額装とポストカードなどが展示されるといい、眼さんは3日間とも在廊する。また、トートバッグやTシャツが販売される予定だ。

会場ではイラストのポストカードをはじめ、Tシャツやランチトートバッグ、巾着などを販売予定

『眼鏡太郎の個展』2023年8月29日(火)~31日(木)
会場:下北沢 SOFT OFFICE(東京都世田谷区代沢5-28-12 藤田ビル 2階 2B)
時間:11時~20時 入場無料
協力:バウムアンドクーヘン
運営:リトル・ジャイアンツ
ホームページ:https://gankyotaro.com/

◆眼鏡太郎(がん・きょうたろう)俳優。1児の父。東京学芸大学教育学部美術科卒業。2001年よりナイロン100℃劇団員。舞台の他、CM・映画に多数出演。

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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