米で果物風味「SAKE」続々 市場拡大の突破口と期待

アイランダー・サケの弘瀬副社長=7月、米バージニア州(共同)

 【ワシントン共同】米国で日本流の清酒(SAKE)を手がける醸造会社が、清酒に果物ジュースなどで風味を付けた「フレーバード・サケ」と呼ばれる商品を売り込んでいる。爽やかな口当たりで飲みやすく、地場企業は「清酒に興味を持ってもらえる突破口にしたい」と期待する。

 米国での清酒と輸入日本酒を合わせた市場は広がってきたが、日本の国税庁の推計によると2020年で4億200万ドル(約580億円)と酒類別シェアで0.2%にとどまる。市場拡大に向け、目先を変えた商品でビールやワインの愛飲者らを呼び込みたい考えだ。

 ベンズ・アメリカン・サケ(南部ノースカロライナ州)は、ユズやミカンのジュースで味付けした約355ミリリットル缶「ユ・タング」の売れ行きが好調。かんきつの爽やかな味と香りが特色で、醸造責任者のパトリック・シーラーさんは「19年に夏限定の予定で売り出したところ好評だったため通年販売となり、当社のベストセラー商品に育った」と胸を張る。アルコール度数を6.5%に抑え、通販価格は6ドル(約870円)。

ノースアメリカン・サケ・ブリュワリーの「サイコー」=7月、米バージニア州(共同)

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