酷暑で深刻化するエアコン疲れ対策に「1回2分の“指ストレッチ”」

夏の冷えによるダメージはさまざまな不調の原因に…(写真:アフロイメージマート)

厳しい猛暑が続くなか、屋内ではどうしてもエアコンに頼らざるをえないところ。同時に、体が冷え切ってしまうことで夏かぜをひいたり、夏バテしてしまう人も少なくない。

「夏の間の屋内と屋外の温度差は体にダメージを蓄積させます。また、冷たいものを欲することもあり、じつは夏のほうが冬よりも“冷え”の対策が取りづらいのです」

こう話すのは、神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授の川嶋朗先生。

冷えによるダメージは次のような不調となって現れるという。

「下痢や便秘を起こしやすい、肩こりや頭痛がある、汗をかきにくい、手足が常に冷たい、目の下にクマができやすいなどの不調の多くは冷えによるものと考えられます」(川嶋先生、以下同)

中高年になると運動不足が加わることもあり、基礎代謝の低下、筋力の低下なども冷え体質に追い打ちをかける。

「自分の冷えを自覚できずに、症状を悪化させてしまう人もいます。そのまま放置していると、秋以降は症状を改善させることがいっそう困難になってしまいます」 こうした冷えによるダメージの改善におすすめなのが、川嶋先生が提案する「指のストレッチ」だ。

「指先は毛細血管が集まっていて、血流が滞りやすい部位。冷えによって血液の巡りが不十分になっている状態を、指先を軽く刺激することで改善するエクササイズです」

すき間時間にできる指のストレッチは2つ。まずは「指もみ」。片方の手の親指と人さし指の腹を合わせて、反対の手の指で人さし指の爪の両脇を軽く押す。さらに親指の爪の両脇も押す。指を添えた状態のまま、合わせた親指と人さし指の腹に力を入れる。中指、薬指、小指でも同様に指もみをし、5本すべての指の爪の両脇をもみほぐす。終わったら手を入れ替えて行う。

もう一つは「指組み」。両手の指を第一関節あたりで組み合わせ、生卵を握るように軽く手を閉じる。これを何度か繰り返すだけ。1回にかかる時間は合わせて2分程度。

「とてもシンプルな動作ですが、これを続けていると、全身に血液が巡って体がポカポカしてくるのを実感できます」

厳しい暑さはまだ続く。快適な室温をキープしつつ、空いた時間に指のストレッチを行って、エアコン疲れを残さないようにしよう。

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