犀川流域1割節水を 石川県、関係機関に要請

犀川流域の水の利用量を減らすことを申し合わせた連絡会=24日午前10時10分、石川県庁

  ●少雨続けば、ダム貯水率9月ゼロに

 少雨によって金沢市の犀川ダムの貯水量が低下していることを受け、石川県は24日、犀川水系渇水調整連絡会を県庁で開き、流域で水道や水力発電、農業を営む関係機関と犀川ダムの水の利用量をそれぞれ1割削減することを申し合わせた。県側はダムの貯水率が同日午前8時時点で24%となり、少雨が続けば9月中旬にゼロになることが想定されると説明した。記録的な猛暑と少雨が生活に影響を及ぼす可能性が出てきた。

 連絡会は冒頭を除き非公開で開かれた。出席者によると、ダムを管理する県が各機関に現状の利用量を1割削減することを提案し、了承された。

 犀川ダムからの放水によって水力発電を行っている金沢エナジー(同市)は、今月10日から県の要請に応じてすでに発電所の稼働時間を半減させている。今後は稼働時間をさらに1割短縮する。

 犀川ダムの水で水道事業を担う金沢市企業局は、手取川ダムの水で賄われている県水の利用率を高める。担当者は犀川ダムの貯水率がゼロになると、水が届けられなくなる地域が出てくるとした。

 少雨の影響で犀川ダム周辺の8月の降水量は24日時点で30ミリで、過去10年平均の411ミリの7%にとどまっており、県側は貯水量の減少が続いていると説明。節水に伴って減少する犀川の流量を、流域が同じ内川ダムからの放流量を増やして賄うとした。県の担当者は「水位低下を遅らせ、なるべく貯水率ゼロの時間を短くしたい」と述べた。

 県によると、犀川ダムの貯水率の過去10年平均は56%。30%を割り込んだ場合に、犀川水系渇水調整連絡会を開催することにしており、最終的に22%まで低下した2018年以来、5年ぶりに開かれた。

  ●急な強い雨注意 輪島34度、金沢33度

 24日の石川県内は厳しい残暑が続き、正午までの最高気温は輪島と珠洲34.1度、金沢33.6度など各地で30度を大幅に上回った。熱中症警戒アラートが6日続けて発表された。

 暖かく湿った空気が流れ込んでおり、金沢地方気象台は夜遅くにかけて落雷や竜巻などの激しい突風、急な強い雨に注意を求めている。

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