文科省、不登校高校生に遠隔授業 単位の半数近くを自宅で取得可能

高校の遠隔授業改正のポイント

 文部科学省は24日、不登校の高校生への支援策として、自宅で遠隔授業を受けて単位取得するのを認める方針を決めた。上限は36単位で、卒業に必要な単位の半数近くとなる。省令改正を経て早ければ来春から適用。少子化対策を目的にした規制緩和も行い、小規模高校では他校の授業を遠隔で受ける際の教員配置条件を変更する。

 高校教育について議論する中教審作業部会は24日の会合で、こうした改革案を提言する方向性を確認した。

 文科省によると、高卒に必要な単位は74以上。病気で登校できない生徒らに対する特例はあったが、これまで自宅で遠隔授業を受けるのは認められていなかった。今後は、全日制や定時制の高校で校長が認めれば、担当教員らの同時双方向の授業を不登校の生徒が自宅からオンラインで参加する形態でも授業を受けたとみなす。

 文科省の集計では、2021年度に不登校だった高校生は約5万人で、新型コロナ前とほぼ同水準。ただ、小中学校における不登校は約24万5千人へ急増しており、高校段階での対策の必要性も高まっていた。

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