「本当にきれいで感動」日本への団体旅行解禁も…中国人個人客は熱海を目指す! 魅了される非日常の感動

中国政府が日本への団体旅行を解禁したことで今後、中国人の旅行客が増えることが見込まれます。実は静岡県内には中国人から注目され、すでに個人旅行客が殺到している観光地があります。

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<金原一隆記者>
「午後7時前の熱海港です。こちらをご覧ください。大型バスが次々と入ってきています。この観光客、中国からの個人旅行の皆さんで、その数300人です」

熱海港に到着したのは、東京を出発し、鎌倉、江ノ島と経由してきた大型バス6台。参加者は北京をはじめ、中国各地から訪れた家族連れ。個人旅行客です。

<中国人旅行者>
「初めての海外旅行は日本にしました」
Q今回の旅行の旅行の一番お楽しみは?
「もちろん花火大会です。花火大会のために今回の旅行を選んだんです」
Q静岡に来たことは?
「ないです。初めてです」

お目当ては貸し切りの遊覧船から見る「熱海海上花火大会」。中国・浙江省の旅行会社「途益集団」が募集した個人旅行客対象のツアーで、総勢300人が熱海にやってきました。

<中国・浙江省の旅行会社「途益集団」添乗員 馬群英さん>
「このお客さんたちは6月前後にインターネットで申し込みしました。その時、団体のビザはまだ解禁されていなかったんですね」

300人のうちの多くが団体旅行の解禁前に、個人でビザを取得できた富裕層です。遊覧船貸し切りツアーを受注した船会社は、中国の“旅行熱”の高まりを感じています。

<富士急マリンリゾート 柄沢将総務部長>
「熱海の海上花火大会はやはりロケーションもいいし、船から花火を見るという非日常体験がかなり刺さるようでして。旅行会社も集客に自信があったようで、空いてる枠、最初にオーダーをいただいた時に『残っている枠全部ください』というふうにいわれまして」

貸し切りの遊覧船から眺める5,000発の海上花火。日本の象徴・富士山周辺エリアで味わえる「非日常体験」が人気の理由のようです。

<中国人観光客>
「とてもすばらしい、とてもきれい」
「本当にきれいで、素晴らしくて興奮しました」
「海の中で花火を見たのは初めて。感動しました。素晴らしかった」

コロナ前の2019年、中国本土から日本を訪れた人の数は959万人。訪日観光客全体の3分の1を占めていました。あの“爆買い”は戻ってくるのか?コロナ禍を耐えた県内の観光関係者はかたずをのんで見守っています。

中国からの団体客はいつ戻ってくるのか?静岡空港も近く、コロナ前、多くの中国人観光客が宿泊していた御前崎グランドホテル(静岡県御前崎市)に聞いたところ、まだ団体客の予約は入っていないものの、10月から11月にかけて増えてくると見込んでいるそうです。

8月10日に解禁されてから、この“時間差”がある理由については、団体観光ビザの発行に一定の時間が必要なことや、飛行機やクルーズ船といった移動手段の回復が道半ばであることが関係しているようです。

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