芸術文化館にハブ機能 氷見市公共交通計画案 集客力生かし回遊促進

地域公共交通計画で交通ハブ機能の充実を打ち出す氷見市芸術文化館=同市幸町

  ●バス停移動、貸し自転車充実

 氷見市は地域公共交通計画案をまとめた。市芸術文化館を新たな交通結節点(ハブ)に位置付け、機能を充実させる方針を打ち出した。同館はイベント時に大勢の人が訪れ、中心市街地の人の流れに影響を与える存在となっており、レンタサイクルやまちなか回遊促進モビリティ「ヒミカ」の配置充実、観光客向けのレンタサイクルステーションの設置を検討する。周辺バス停の統合、移動による待合・交流施設としての可能性も探る。

 芸術文化館は国道160号と415号が交差する幸町交差点に位置する。路線バスや市街地周遊バス、NPOバスのほとんどが周辺を通っており、乗り継ぎを円滑にして、中心市街地を訪れる人々の利便性向上や回遊促進につなげる。

 同館は約800席のホールを持ち、昨年10月のオープン以来、多彩な文化公演や展示会を開催。来館者は先月10万人を突破した。

 計画案では、施設の利用者を取り込んだ公共交通の運行ルート見直しの必要性を指摘した。ヒミカの利用受け付けを可能にすることも視野に入れる。

  ●交通不便地域、NPOバスを支援

 氷見駅と駅周辺、ひみ番屋街についても交通結節機能の整備を掲げた。このほかの施策では、住宅地を抱える交通不便地域でNPOバスの運営法人設立を支援する。既存のNPOバスもデマンド交通の導入などで運行改善に取り組む。

 計画期間は10月から2028年9月まで。目標数値では、15路線あるバス路線数を維持。NPOバスについても現状の3万人程度の利用者数を確保する。

 地域公共交通計画の策定は交通施策について国の支援を受ける条件となっている。市は来月の計画決定を目指す。

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