「騙してる感覚はない」パパ活マニュアル販売で逮捕の「頂き女子」が過去に明かしていた“手口”

8月23日、愛知県警は詐欺ほう助の疑いで、自称店員の渡辺真衣容疑者(25)を逮捕した。各メディアによると、渡辺容疑者は、昨年6月ごろに、男性の恋愛感情を利用して現金をだまし取るためのマニュアルを「パパ活」する別の女性に販売。今年2月には助言も行い、2人の男性から現金1065万円を詐取する行為を手助けした疑いが持たれている。警察の調べに対して、渡辺容疑者は容疑を認めているという。

そんな渡辺容疑者には“別の名前”があった。SNSを中心に「頂き女子りり」の名前で活動し、X(旧Twitter)では1.4万人ものフォロワーを獲得。男性から肉体関係なしで大金をもらう「頂き女子」という言葉も渡辺容疑者が広めたと言われている。

マニュアルを販売し、詐欺を手助けことで逮捕された渡辺容疑者。実は、暴露系YouTuberのコレコレが’21年7月13日に投稿した「【拡散希望】被害者大量…おっさんを騙して3億円稼いだ「頂き女子」の悪質すぎる手口と犯罪行為を公開」という動画に出演し、その“手口”を明かしていたのだ。

東京・新宿の歌舞伎町のホテルの一室でコレコレのインタビューに応じる形で、渡辺容疑者は「頂き女子」の手口について、ターゲットとなる男性を「おぢ」と呼んだ上で、「リリコミット」「魔法をかける」「アフターケア」という3つの段階があると説明。

渡辺容疑者によると「リリコミット」とは、お金をもらう男性を見極めターゲティングし、LINEなどを通した会話で信頼関係を築くこと。なお、年齢関係なく、お金をもらう対象の人全般を“おぢ”と呼んでいるという。動画内で、ターゲットにする男性の特徴を次のように語っている。

「いただけるおぢの特徴は、生きる希望がない、生きがいがないような、毎日仕事して、帰って寝て、毎日帰って仕事して寝て、なんで生きてるんだろうな、生きる意味を見出せてないようなおじさん」

こうして“おぢ”に近づき、“日常会話”と”色恋会話”という2種類の会話を使い分け、男性と距離を詰めていく。軽くボディタッチをしながら相手に興味をもったような日常会話を行ったうえで、“色恋会話”に入っていくという。

「色恋会話っていうのは、思われがちなのは、『好きだよ結婚しよう』みたいな感じの会話を色恋会話って思うと思うんですけど、そうじゃなくて、『おぢと話してると落ち着くなー、私男の人に苦手なんだけどね』(のような会話)。直接好きとは伝えないけど、『俺って特別なんだ』って思わせるような(会話)」

これには、コレコレも「思われるようなって言ってるじゃん。やっぱ騙そうとしてんじゃん」と突っ込むが、渡辺容疑者は「え〜、騙そうとしてないよ」と白々しい反応をみせる。

続けて、実際にお金を受け取る第2段階である「魔法をかける」の説明に。このフェーズには「(1)引き出し会話」「(2)お金困ってるんだ」「(3)それに通ずるエピソード」「(4)魔法色恋会話」「(5)ひと押し会話」の5段階あるという。

この5段階については、家賃やクレジットの支払いが足りない、知人からお金を借りていて返済を迫られているなどの理由をつけお金に困っていると匂わせ、一旦自分で支払うかのような態度をみせ、男性の好意につけこむのが常套手段だと渡辺容疑者は説明。

そして最後に、男性から振り込みや支払いなどでお金を受け取ったあと、「アフターケア」に。「頂き女子」がパパ活女子と異なる点はこの「アフターケア」にあるとし、「お金いただいた後はちゃんと盛大に、おぢのおかげで助かったよありがとうっていう風に伝えてあげるのがアフターケア」だと強調していた。

このアフターケアがあるからこそ「詐欺とか騙してるっていわれるんですけど、おぢはそれで幸せになってる」「騙してる感覚はないです」と語り、終始罪悪感のない様子だった。

この動画内で、渡辺容疑者は複数の男性から2年半以上かけ「2億円以上頂いた」と告白しており、一度に670万振り込まれたこともあったとも。また、これらの手順が詳細に書かれたマニュアルをオンライン上で販売しており、2000人以上購入者がいたことも明かしていた。

これ以上、渡辺容疑者が広めた手口による被害者が出ないことを祈るばかりだ。

© 株式会社光文社