浄水場の井戸水放流 前例なし農業用水に 干ばつで上越市

渇水対策として農業用水に放流を始めた法花寺浄水場。農業用水への放流は過去に例がないという(24日午後1時50分ごろ)

上越市は干ばつによる水稲被害の軽減を図るため、24日から9月10日まで浄水場の井戸水を農業用水路に放流する。

三和区の法花寺浄水場から井戸水を「川浦用水路」に放流することで、水路の流量を増やし農業用水に充てる。上越市が浄水場の水を農業用水に充てるのは、前例がないという。

川浦用水路は幹線用水路の上江用水から分派した水を利用している。関川水系土地改良区によると、笹ケ峰ダムの渇水により、通常より少ない水を用水下流部まで行き渡らせる必要があるため、「浄水場からの放流は(上江用水から川浦用水への流入量を抑制できるため)効果がある」という。

放流による上水道への影響について、市ガス水道局は「柿崎川、正善寺、城山など5浄水場で充足しており、影響はない」としている。

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