体験農園の野菜、子ども食堂へ 親子支援し地域貢献 東京・JAマインズ

子ども食堂やフードパントリーに提供する野菜を集荷する佐野さん(東京都府中市で)

【東京・マインズ】JAマインズを主体に運営する体験型農園「JAマインズ とも畑」の利用者が、収穫した野菜を子ども食堂やフードパントリーなどに提供する活動を始めた。「新鮮な農産物をお裾分けしたい」と利用者が提案。7月に4回提供し、今後も続ける予定だ。都市農業の保全や新規就農者の育成を狙いに始めた農園が、子どもや学生、一人親家庭などの支援にも活動の幅を広げ、地域活性化に貢献する。

JA管内では組合員が運営し、19年続いた体験農園が2022年に閉園した。利用者からJAに「体験農園を継続してほしい」と強い要望があり、JAが近隣に別の農地を確保。23年4月に府中市で「とも畑」を開園した。旧体験農園の利用者の7割以上が申し込んだ。多くは利用歴10年以上の熟練者で、質の高い野菜を作る。

JAは、農業体験が将来の援農ボランティアや新規就農者の育成につながり、都市農業を守る姿を組合員に発信できると考え、継続、拡大する方針だ。

農園で収穫期を迎えた野菜は利用者だけでは食べ切れない量に上ることから、利用者の佐野秀樹さんが子ども食堂などへの提供を提案した。利用者24組に声をかけ、農園にコンテナを置いて集荷。トマト、ナス、キュウリ、インゲン、オクラ、エダマメなどが集まった。

佐野さんは「1人でも多くの子どもや学生に喜んでもらい、とも畑とつながりができたらうれしい」と話した。

農園での作業指導や肥培管理などを担当する同JA多磨地区の組合員、比留間吉郎さんは「フードロスを削減し、一人親家庭などに食材が提供できることは素晴らしい。活動が継続するよう願う」と期待する。

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