本物じゃないの? 紙で作る昆虫に驚き、虫眼鏡を使うミクロ作品も

ペーパークラフトアーティスト「紙枝工房」による『紙の昆虫たち展』が、8月23日より「大丸心斎橋店」(大阪市中央区)にて開催中だ。紙とハサミで生み出す本物さながらの昆虫や草花、カエルたちの様子を間近で見ることができる。

健輔さん作。昆虫たちの生活を超ミニサイズのクラフトで再現

虫眼鏡で鑑賞する超ミニサイズの作品も

健輔さん作。トイレットペーパーの芯を切った繊細な作品

父・⻫藤卓治と二代目・⻫藤健輔の父子で活動するペーパークラフトアーティスト「紙枝工房」。同展では卓治さん・健輔さんの作品ごとに展示スペースが分かれている。両氏ともに手がけるリアルタッチの昆虫作品は、クワガタや蝶など、まるで本物のような質感や再現度が見どころだ。父子そろって昆虫が好きだといい、飼育経験もある2人だからこそのディテールへのこだわりを感じられる。

擬人化シリーズでは、どちらも昆虫を題材にしつつ、それぞれ違ったテーマや切り口が光る。お菓子が大好物だという卓治さんの作品は、カフェにケーキを食べに集まる姿や、バーで「樹液のお酒」を飲む様子など、人間のように生活を満喫する昆虫たちをユーモラスに描く。

「プロポーズ」や「結婚」など、作品ごとのストーリーも意識している健輔さんの作品は、蟻や蚊など爪の先にも満たないサイズの虫たちを緻密に再現。今年からはカエルをメインにした作品も増えており、カエルとてんとう虫が食卓を囲むメルヘンチックな世界観もほほ笑ましい。

いずれも角度をかえつつゆっくりと鑑賞したい作品ばかりだが、なかでも5、6年前から取り組んでいる『アリの巣』は、現在も製作途中という大作だ。「蟻」字型の巣のなかで、アリたちが生活を営む様子を数ミリ単位で表現。家具や道具を含めたリアルさも必見なので、ぜひブースに用意している虫眼鏡を使って鑑賞してみてほしい。

『紙の昆虫たち展』は、大丸心斎橋店の本館8階「Artglorieux GALLERY OF OSAKA」にて8月29日まで開催される。入場料は無料。

取材・文・写真/つちだ四郎

紙の昆虫たち展

会期:2023年8月23日(水)~ 8月29日(火)
会場:大丸心斎橋店 本館8階 Artglorieux GALLERY OF OSAKA (大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目7−1)
入場料:無料

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