2022年9月27日、私たちは何を見たのか? 大島新監督が描く現代日本の肖像、『国葬の日』の本予告解禁! 内田樹、武田砂鉄、森達也らコメント続々到着!

『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』の大島新監督最新作『国葬の日』が、9月16日(土)より[東京]ポレポレ東中野、9月23日(土)より[大阪]第七藝術劇場、[愛知]名古屋シネマスコーレほか全国の劇場で順次公開される。

2022年9月27日──安倍晋三元首相の国葬が東京・日本武道館で執り行なわれた。その賛否を問う世論調査の結果は、各社ともおおよそ賛成4割、反対6割。なぜ人々の意見はかくも激しく対立したのか? あの国葬は、果たして何だったのか?

国論を二分した国葬の当日、『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』の大島新監督が、全国10都市──東京、山口、京都、福島、沖縄、北海道、奈良、広島、静岡、長崎でキャメラをまわし、人々の姿を記録した。

このたび、その『国葬の日』の本予告が完成、解禁された。

▼『国葬の日』本予告 YouTube

https://youtu.be/CV7DNXykxeU

また、ブレイディみかこ、西村カリン、斎藤幸平、内田樹、武田砂鉄らのコメントが到着(敬称略・順不同)。

過半数を超える人々が賛成しなかったのに、それは行われた。 その日をそれぞれに生きた人々の映像が問いかけてくる。 「あなたはまだ覚えていますか?」

──ブレイディみかこ(ライター)

映画に出てくる人たちの語る言葉は、あるものは軽く、あるものは重い。あるものは浅く、あるものは深い。感情豊かな人の言葉はわかりにくくても身体にしみる。現実を動かすのは、たぶんそういう言葉だ。

──内田樹(思想家・武道家)

ああ、あまりにも日本的・・・。それでも、この現実に向き合うことが、日本再生の第一歩になると信じたい。

──斎藤幸平(東京大学大学院総合文化研究科准教授)

静かな日常の中に、未来への絶望も希望もある。そんなことを思った。

──中村文則(作家)

もし国民投票で決定されたとしたら、安倍晋三元総理大臣の国葬があったのか、なかったのか? 「国葬の日」は改めて民主主義の国で国葬の根拠と意味を考えさせる映画です。

──西村カリン(仏「リベラシオン」紙/「ラジオ・フランス」特派員)

「国葬の日」は、日本人の現代社会意識に対して洞察に富み、見事にも客観的で、深い。 全世界の人が観るべきドキュメンタリー映画の傑作だ。

──ロジャー・パルバース(作家・映画監督)

日本の政治を動かしているのは、熱狂でも義憤でもなく「ぼんやりとした情」なのだ。だから選挙はああなるし、安倍政治の不条理も許される。武道館の外の現実に、ふとため息が出る。

──斎藤美奈子(文芸評論家)

時折、挟み込まれる、無関心の声。 そうか、私たちみんなで、この感じを育ててしまったのだ。

──武田砂鉄(ライター)

2022年9月27日の日本各地の風景。メディアは「世論が二分された」という言葉を常套句のように使う。様々な声を聴く。様々な願いも知る。そして最後の最後、大島新は数値のデータを示しながら叫ぶ。何が二分化だ。日本人たちよ、これでいいのだろうか、と。

──森達也(映画監督、作家)

大島新監督 メッセージ

こんにちは、大島新です。2022年9月、安倍晋三元首相の国葬が近づくにつれ、自民党の議員と旧統一教会の関係が次々と明るみになり、世論調査では国葬反対の声が増していきました。またか。私はこの空気に懐疑的でした。「みんなが反対と言っているから反対」しているように思えたからです。日本人の多くは、少数派の側にいたくない。この数年、私がつくづく感じていることです。だって、そのわずか2か月前、安倍さんが亡くなった2日後に行われた参議院選挙で自民党を大勝させたのも、日本の有権者でしたから。そこで、9月27日に全国10都市で撮影をする映画を作ると決めました。国葬や安倍晋三さんという人のことを、本当のところどう思っているのか、人々のリアルな思いを知りたかったのです。話を聞かせてくださった方は数十人ですが、そこには実に様々なバリエーションがありました。日本人とは、何なのか。私自身が、この映画を作る過程で多くの発見をし、かつ、

完成版を観てたいへん困惑しています。

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