府外私立高、参加不透明 大阪の授業料無償化案

大阪府の高校無償化を巡る私学団体の対応

 大阪府は25日に決定した高校授業料の完全無償化制度案を巡り、近隣府県の私立高に通う大阪府の生徒も対象とする方針だ。ただ、各府県の私学団体からは「大阪府と授業料を協議しなければならず、事実上の価格統制だ」と反対の声が上がる。府は2024年度から段階的に制度を開始する予定だが、府外校の参加は不透明な状況だ。

 府によると、大阪から滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山の各府県の私立高に通う生徒は8千人以上。制度案では公費で賄う授業料の上限を1人当たり63万円とし、超過分は学校の負担とする。当初、大阪私立中学校高等学校連合会は負担増につながるとして反発したが、府が公費支出を増やす修正案を示したことを受け、全加盟校の参加を決めた。

 一方、大阪から3千人超を受け入れている京都府の私立中学高等学校連合会の担当者は「制度参加は非常に厳しい」と明かす。兵庫県の私学団体関係者は「増額分について説明がなく議論できない」、別の関係者も「同じ学校でも、地元から通う生徒と大阪の生徒で格差が生まれてしまう」と難色を示す。

© 一般社団法人共同通信社