軽い&涼しい&使いやすい!! 新作シールド付きオフヘル『ツアークロスV』は買いだ!

アライの新作シールド付きオフロードヘルメット『ツアークロスV』

アライヘルメットからシールド付きオフロードヘルメットの『ツアークロスV』が新登場! 普段からツアークロス3を使っているフリーランスライターの谷田貝 洋暁が、この11年ぶりの新作となる『ツアークロスV』を早速インプレッション!

文:谷田貝 洋暁
写真:武田 大祐

メーカー: アライヘルメット
品名: TourCrossV(ツアークロス・ブイ)
価格: ¥69,300円~79,200円(税込)
COLOR: ¥69,300円(ソリッド):グラスホワイト、アルミナシルバー、グラスブラック、フラットブラック(艶消し)、イーグルグレー/¥79,200円(グラフィック):ディスカバリー・青、ディスカバリー・赤、ディスカバリー・白
SIZE:54㎝、55-56㎝、57-58㎝、59-60㎝、61-62㎝

筆者はオフロードモデル系の試乗依頼が多いこともあり、従来型のツアークロス3に加え、オフロード専用のVクロス3もよく使っている。

手に取ってまず感じたのが『ツアークロスV』の軽さ。普段使っているツアークロス3よりもずいぶん軽くなった印象なのだ。ただ、実際に重さを測り比べてみると数十グラムでそれほど大きな違いはないのだが、持った印象は数値以上の軽さを感じる。最新式のPB-cLc2帽体を採用したことにより、帽体の大きさがツアークロス3比でワンサイズ小さくなったそうだが、これがおそらく軽く感じた主な要因だろう。実際にかぶって首をふったような場合にもツアークロス3よりかなり軽く感じる。

最新式のPB-cLc2帽体を採用。さらにヘルメットとしての強度がさらに強くなったとのことだが、サイズもワンサイズ小さくなっている

今回のインプレッションでは、シールド付きの「アドベンチャースタイル」の状態でテストしたが、ベンチレーションもよく効くようになっている。特に額部分にあるフロントロゴダクトからの空気の流入は非常に顕著。一般道の巡航走行レベルでも前頭葉あたりに外気が入ってくるのがよくわかる。

額のロゴマークがベンチレーションになっている。実際、走っていると空気がヘルメット内部に流入して内部のムレた空気を押し出してくれるのが感じられる。

新作の『ツアークロスV』で一番気に入ったのはシールド使用時の視界クリアさだ。従来モデルのツアークロス3は、チンガードの張り出しが大きくシールドの前面の湾曲が強く、夜間走行や林道などの暗い場所でちょっと歪みが気になる場面もあったが、『ツアークロスV』はそれが大きく改善されている。スポーティなオフロードスタイルはそのままにチンガードの張り出しが少なくなったため、シールドの湾曲もかなり減ったのだ。おかげでものすごく視界がクリアでシールドを上げたくなる場面が非常に少なくなった。

新開発のシールドシステムVAS

『ツアークロスV』の特徴はなんといっても新開発のシールドシステムVASの採用。これにより用途に合わせてスタイルが3変化。『ツアークロスV』は、バイクの種類や用途に合わせてスタイルを変えられる1粒で3度おいしいヘルメットになっている。

①高速走行や雨天走行などツーリングに使いやすいシールド付きの「アドベンチャースタイル」

②オフロード用のゴーグルを使用するためにシールドを外した「オフロードスタイル」

③モタードライダーやネオクラシックにも似合いそうなバイザーを取り外した「オンロードスタイル」

左から①「アドベンチャースタイル」、②「オフロードスタイル」、③「オンロードスタイル」の3つのスタイルが楽しめる

すごいのはこの『ツアークロスV』、これらの3つのスタイルが、特殊な工具や追加パーツを使わずその場で簡単に変更できること。これは新開発のシールドシステムVASの恩恵だが、実際に換装してスタイルを変えてみるすごく簡単だったのでそのやり方を紹介しておこう。

「アドベンチャースタイル」→「オフロードスタイル」

運動量の多いオフロード走行ではとにかく息が上がり、シールドをしていると非常に息苦しい思いをする。そこでシールドを外してゴーグル仕様にチェンジするというわけである。

①シールドを上げ切り、ホルダーの前にある「VRS-Aリリースレバー」を押す

②ホルダーのカバーが外れるのでバイザーを取り外す

③さらにシールドを上げ切り、ホルダーからシールドを取り外す

④「オフロードスタイル」完成

実際にゴーグルを装着してみると、『ツアークロスV』はゴーグル本体はもちろんバンドのおさまりも非常にいい。軽さでいえばオフロード専用品のVクロス4の方が軽く、競技に向くのは間違いないが、主な用途がツーリングで、たまに林道やオフロード走行するというライダーなら、この「オフロードスタイル」&ゴーグルで十分ことたりる。

「アドベンチャースタイル」→「オンロードスタイル」

モタードの世界などで見かけるオフロードヘルメットのバイザーを外したスタイル。『ツアークロスV』なら、バイザーを取り外したり、シールドのアリ/ナシの両方のスタイルが手軽に楽しめる。

①ホルダーの「TX-Vバイザーネジ」を硬貨で外す

②ネジが外れるとバイザーとカバーが外れる

③カバーだけ戻し、ネジを締め込む

④「オンロードスタイル」完成

『ツアークロスV』はチンガードの張り出し具合も抑え目なので、モタード系モデルはもちろんだが、ネオクラシックなどのネイキッド系のモデルとの親和性もよさそうだ。

『ツアークロスV』はシールドをつけたままゴーグルも使える!

新作の『ツアークロスV』は、シールドを上げた状態でゴーグルの併用が可能

色々試していて気づいてしまったのだが、この新型の『ツアークロスV』は、なんとシールドを取り付けた状態でのゴーグル装着が可能だ。

つまり林道ツーリングの場合、行きと帰りの高速道路や雨天時にはシールドを使い、林道を走る時だけゴーグルをする……なんてこともできるというワケ。

よくよく見ればシールドのヒンジ付近に切り欠きが設けてあり、ゴーグルのバンドを避けるようになっている!

従来型のツアークロス3では、シールドの形状的にこのゴーグル併用ができなかったんだよね。かといって現地でシール外すと、大きく傷をつけたくないシールドは意外と邪魔で……。なんでシールド付けたままでゴーグルできないんだろう? なんて思ってたのだが新型の『ツアークロスV』ではこの問題が見事に解決! 林道ツーリングに頻繁に出かけるライダーなら、もうこれだけで買い換える意味がある。

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