愛知県で被害額が急増する特殊詐欺。「還付金詐欺」の被害に遭いそうになった男性が犯行の巧妙さを語りました。
(犯人)
「私、市役所・保険年金課のタニグチと申します」
(被害男性)
「どうもお世話になります」
(犯人)
「ことし5月(母親)さま宛てに、年金見直し通知書をお送りさせていただいていたのですが…」
これは、8月3日に愛知県豊橋市に住む60代の男性のもとにかかってきた電話。
(犯人)
「(母親)さまの過去にお支払いいただいていた年金の差額があった。直接手続きをして受け取ってもらわなければいけない」
市の職員を名乗る男が丁寧な口調で、男性に「同居する80代の母親に還付金がある」と切り出します。これは詐欺グループからの電話です。
(被害男性)
「(通知書を)探してみたが、ないから『あれ?』と思って、そのまま(犯人の)話にのめり込んでしまった」
その後、男性は金融機関の職員をかたって電話をかけてきた男の指示に従って、ATMを操作し約150万円を送金。しかし、通帳に記帳すると入金があるはずが、引き出されていたため不審に思い、金融機関の窓口に相談へ出向きました。
金融機関側は、金が犯人に引き出されないようにした上で警察に通報し、被害を防ぐことができたのです。
愛知県ではことし、特殊詐欺の被害額が7月末までに16億4000万円以上と、去年の2倍に迫る勢いで急増していて、警察が注意を呼びかけています。