「バカ塗りの娘」青森県内で先行上映/堀田真由さん「撮影の日々 大事な時間」

宮下知事(右から2人目)に映画公開を報告した(左から)盛プロデューサー、堀田さん、鶴岡監督=25日、県庁
公開記念の舞台あいさつに登壇した(左から)鶴岡監督、堀田さん、ジョナゴールドさん=25日、青森市の青森松竹アムゼ

 津軽塗をテーマに全編を青森県弘前市で撮影した映画「バカ塗りの娘」が全国に先駆け県内5館で封切られた25日、主演の堀田真由さん、鶴岡慧子監督らが県庁を訪れ、宮下宗一郎知事に県内公開を報告した。堀田さんは「やっと青森での公開初日。ゆったりと時間が流れる弘前で撮影した日々は役者としても大事な時間になった」と語った。

 鶴岡監督は宮下知事に「青森の人に支えてもらい完成させることができた。心からお礼を言いたい」とあいさつ。堀田さんは「津軽塗には48個の工程があり、1カットずつ丁寧に撮影する映画と似ている。温度や湿度によって表情を変える漆は、まるで人生のよう」と話した。同行した盛夏子プロデューサーは「いかに劇場で楽しんでもらうか考え、音にもこだわって作った映画」とPRした。

 宮下知事は「日本が誇る津軽塗を題材に映画を作っていただき感謝している。県民に改めて伝統や文化に誇りを持ってもらえるよう応援したい」と激励した。

 同日夜には、堀田さん、鶴岡監督が青森市の青森松竹アムゼで舞台あいさつし、約140人が鑑賞。映画に出演する弘前市のシンガー・ジョナゴールドさんがMCを務めた。

 堀田さんは役柄について「津軽塗職人を目指す役なのに塗りの工程のシーンがどんどんうまくなってしまい困った」と撮影中のエピソードを披露。鶴岡監督は「タイトな時間で工程を撮影したのでまるで修業だった」と笑いを誘った。ジョナゴールドさんは「現場を見学した際の緊張感がすごく、青森の伝統を大切にしてくれていると感じ、うれしかった」と振り返った。

 鑑賞した青森市の会社員沼畑秀樹さん(60)は「あっという間にラストシーン。全国でヒットする予感がする」と感想を述べた。

 8月26日は弘前市のイオンシネマ弘前で舞台あいさつを行う。映画は9月1日全国公開。

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