恒久平和、遺族ら誓う 水戸で茨城県戦没者追悼式

式典で献花する戦没者の遺族ら=水戸市千波町

茨城県戦没者追悼式が25日、水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館で開かれた。戦没者の遺族らは黙とうや献花で戦没者に哀悼の意を表し、恒久平和を誓った。式典は4年ぶりにコロナ禍前の規模に戻された。各市町村の遺族代表や大井川和彦知事、県議や市町村長ら917人が参列した。

遺族代表として追悼の辞を述べた、城里町の小林孝夫さん(88)は1944年8月、陸軍兵長で当時34歳だった父親を戦地のニューギニアで亡くした。体験を振り返りながら、「平和と自由の恩恵を享受できるのは、尊い犠牲によるもの。子々孫々に語り、継承していく」と述べた。

大井川和彦知事は式辞で長期化するロシアのウクライナ侵攻に触れ、「戦争の悲惨さと平和の大切さを風化させず、次の世代へ語り継ぐことが私たちに課せられた重要な使命」と訴えた。

県遺族連合会の狩野安理事長は、遺族の高齢化を指摘した上で「次世代を担う青年部に遺族会の活動を託しながら、悲しい体験を二度と繰り返すことのないよう発信を続けたい」と話した。

県によると、茨城県の戦没者数は戦災による死者を含め5万8102人。参列遺族の平均年齢は77.2歳。追悼式は52年に始まり、今回で66回目を迎えた。

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