「数え切れないピンチを乗り越えてきた」比嘉真美子が苦境でつかんだ自信

長丁場の1日27ホールで上位に浮上した比嘉真美子(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 2日目(25日)◇小樽CC (北海道)◇6695yd(パー72)

この日27ホール目となった18番、比嘉真美子はティショットを大きく右に曲げて第2ラウンド唯一のボギーを喫した。それでも「67」で通算3アンダー。「ティショットは、ホントにずっと悪くて。でも、曲がったところからはしっかりリカバリーして、フェアウェイから打てるショットはバーディチャンスにつけて。耐えるのと攻めるのがきっちりかみ合ってくれた」と納得の表情で振り返った。

第1ラウンドでフェアウェイキープ率50%(7/14)にとどまったティショットは、前日から持ち越した9ホールに続いてプレーした第2ラウンドに入っても落ち着いてくれなかった。最終18番でも握った3Wを多用したが、必ずしもフェアウェイにしっかり刻んでいくためのプランではなかったことを苦笑交じりに明かす。「3Wも曲がるんで」。ティイングエリアが前に出されたホールが多く、あくまで距離やピン位置から逆算した戦い方だったという。

1WショットをOBエリア近くまで曲げた9番もバーディ(撮影/中野義昌)

QT(予選会)からの返り咲きを目指すシーズンは3月「アクサレディス」で2位に入ったかと思えば、2週前まで5試合連続予選落ちと苦しんでいたばかり。前週「CAT Ladies」初日に「66」をマークして3位発進と久々に上位でプレーして、たしかに気持ちが上向いた。

ままならないティショットと根気強く付き合ってプレーする中でつかめるものもある。「ピンチを数え切れないほど乗り越えてきて、気持ちが強くなっている」とうなずくメンタル面は、しっかりフェアウェイから狙える状況を作り出せた時の自信にもつながっている。

「いいところから(セカンドを)打てれば、絶対にバーディチャンスにつけられると(自分の中で)思える。曲がったときにボギーになっちゃっても、バーディで取り返せるという気持ちが出てきたのは、心境の変化としてあるのかな」

故郷沖縄より暑さが厳しい今週の北海道。「もう1球も打ちたくない。あと2分以内にはゴルフ場を出ます」と笑うほど過酷な一日をクリアし、上位で迎える週末に気持ちを切り替える。「心技体が試されるコース。いっぱい食べて、いっぱい寝て、与えられたスケジュールとポジションの中で100%のベストなプレーができるように休んで備えたい」と前向きだった。(北海道小樽市/亀山泰宏)

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