猛暑の中で80代男性が行方不明に…毎日散歩する姿見ていた36歳男性、捜索に加わり救助 兵庫・宍粟

行方不明になった高齢男性を救助した國鞆一世さん=宍粟署

 行方不明になった80代男性を見つけて救ったとして、兵庫県警宍粟署は、宍粟市の会社員國鞆一世(くにともいっせい)さん(36)に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。

 同署によると、7月29日午後3時ごろ、男性の身の回りの世話をしているヘルパーから同署に「男性が午前11時ごろに自宅を出たが、まだ戻ってこない」と通報があった。気象庁によると、同日の市内の最高気温は34.3度。男性が外に長時間出ていると命の危険もあった。

 國鞆さんは自分の自宅周辺を捜す警察官の姿を見て、男性が行方不明になっていることを知った。男性が毎日、周辺を散歩する姿を見ていたため、捜索の手伝いを買って出た。

 かつて國鞆さんは男性が山の方に歩いて行った姿を見たことがあり、胸騒ぎを覚えて県道から山の麓の工事現場に続く道を捜した。すると県道から約100メートル進んだ山道で、石の上に座る男性を見つけた。

 男性は少し疲れた様子だったが、國鞆さんが「みんなが捜しているよ」と伝えると「そうか」と言って自ら歩き出した。國鞆さんは一緒に山を下り、警察官に引き継いだ。男性にけがなどはなかったという。

 國鞆さんは「いつも見かける男性を無事に発見できて良かった。昔から知っている人だからほっとした」と話した。(村上晃宏)

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