なんと黄色ウシガエル! 朝日浴びて黄金に…神の使いか突然変異か 宝塚・清荒神清澄寺近くで発見

清荒神清澄寺の近くで見つかった金色に輝くウシガエル=宝塚市川面2(藤田ひとみさん提供)

 全身が黄色のウシガエルを兵庫県宝塚市の清荒神清澄寺近くで藤田泰彦さん(60)、ひとみさん(58)夫妻が見つけた。胴体は20センチほどの大きさで、朝日に照らされた姿は黄金に輝いていたという。突然変異か、それとも清荒神の使いか…真相やいかに。(池田大介)

■専門家も驚く「何千匹に一匹」以上の珍しさ

 5月中旬の早朝、夫妻が日課の散歩中に、道路をのっそりと横切る黄色っぽい何かが目にとまった。イタチかとも思ったが、よく見ると黄色いウシガエル。泰彦さんがタオルでつかみ挙げると「モォー」と低い声で鳴き、日の光を受け金属模型のようだったという。

 爬虫(はちゅう)類や両生類に詳しい県立人と自然の博物館(三田市弥生が丘6)の太田英利研究部長(63)に尋ねると、「ウシガエルのアルビノで間違いないでしょう」とのこと。アルビノとは、黒い色素を形成する遺伝子の不活性化により白っぽくなる突然変異で、紫外線や化学物質の影響が考えられるという。

 体の色が目立つため天敵に見つかり捕食されるリスクも高く、紫外線を防ぐ黒い色素がないため日光の刺激で弱ってしまい生存できる確率は限りなく低いという。太田さんは「野生でここまで成長できたのは奇跡的。今まで見たことがなく、『何千匹に一匹』以上の珍しさでしょう」と驚く。

 発見現場は清荒神の境内を流れる荒神川の近くで、ウシガエルは再び川に戻っていったという。ひとみさんは「ありがたい色で良い兆しだとうれしい」と期待を寄せた。 【ウシガエル】ウシガエルは現在、外来種被害防止法で生態系などに大きな影響を与える恐れがある「特定外来生物」に指定されており、許可なく飼育や販売、運搬することが禁止されている。そのため、自宅で食べるために川やため池などで生け捕りにして持ち帰る行為は運搬に当たり法律違反になる。ただ、環境省外来生物対策室によると、同法の対象は生きた個体のみで、捕獲後にその場で締めれば持ち帰ることはできるという。

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