角田裕毅、初日5番手「これほどの速さがあるとは予想外。予選に向け好感触」怪我のリカルドへのエールも/F1第14戦

 2023年F1オランダGPの金曜、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅はフリー走行1=9番手/2=5番手だった。

 チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズは、オランダGP初日を次のように振り返った。

「FP1で空力上の相関関係のチェックのために裕毅のマシンにエアロレイクを装着して走ってもらい、2台のマシンを使って他にもいくつか空力テストを実施した」

「このトラックは砂に囲まれているので、毎年最初はかなりダスティで、時間がたつにつれてコンディションが大きく改善する。ラップタイムはセッションのなかで向上し続け、バランスが変化するわけだ。全体的にドライバーはふたりともFP1でバランスに満足しており、FP2に向けては小さな調整だけを行った」

「FP2序盤にハードコンパウンドでの走行を行い、ダニエル(・リカルド)は非常に高い競争力を示していたと思うが、不運にも、すぐ前を走る(オスカー・)ピアストリがクラッシュし、ダニエルはそれを避けることができずに、バリアにヒットし、手に怪我を負った。ダニエルはより詳しい検査を受けるために病院に行き、左手の中手骨を骨折していることが分かった。チーム全員、彼ができるだけ早く回復するよう願っている」

「裕毅がソフトコンパウンドで行ったショートランは、非常にコンペティティブだった。明日の予選ではQ2の上位を狙って戦うことができるのではないかと期待している」

 なお、アルファタウリは今回、リヤウイングのエンドプレートにアップデートを加えたことが明らかになっている。

2023年F1第14戦オランダGP 角田裕毅(アルファタウリ)

■角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)
フリー走行1=9番手(1分12秒749/21周)/2=5番手(1分11秒720/31周)

 ダニエルがクラッシュした時、僕はマシンの中にいました。彼はとても好調で、強さを発揮していたと思います。戻ってきた彼に会いましたが、彼は笑顔を失っていませんでした。そういう、とてもポジティブで強い人なのです。早く回復して、すぐにマシンに戻って来られることを願っています。

2023年F1第14戦オランダGP ファンイベントに登場した角田裕毅とダニエル・リカルド(アルファタウリ)、アレクサンダー・アルボンとローガン・サージェント(ウイリアムズ)

 僕はプラクティスデーを上位で終え、ダニエルも良いパフォーマンスを示していました。マシンにこれほどのペースがあるとは、正直言って予想していませんでした。調子が良いと思うので、あとはうまくまとめ上げるだけです。

 ダニエルはハードタイヤですぐさま強さを発揮しましたし、僕はソフトタイヤで快適に走ることができたので、とても楽観的に考えています。

 特にショートランでマシンに良い感触を持っています。ただ、ロングランではいくつか制限となる点があることが分かったので、その理由を調べる必要があるでしょう。

 風の状態が不安定なことで、状況がよりトリッキーになりますが、ここまでのところはうまくいっていますし、それを除けば、僕にとってはポジティブな金曜日でした。

© 株式会社三栄