小中学校をオートロックに…戸田市「最善を」 刺傷事件の美笹中はすでに対応 来年度中に市立17校も完了へ

現場となった戸田市立美笹中学校=3月1日、埼玉県戸田市美女木

 埼玉県戸田市は24日、児童生徒らの安全確保のため、市内全小中学校の来校者玄関をオートロック化し、学校敷地外周部にフェンスを設置すると発表した。設計業務委託料として、関連補正予算案995万円を30日開会予定の市議会9月定例会に提案する。

 今年3月の市立美笹中学校に刃物を持った17歳少年が侵入し、教員を切りつけた事件を受けた措置。既にオートロック化、フェンス設置に着手している同校を除く、市立小学校12校、中学校5校で来年度中の工事完了を目指し、各校の現場調査と合わせ、設計業務を今年度内に実施する。

 玄関のオートロック化は、モニターで来校者を確認して電子錠を解除する方式を想定。フェンスの設置は敷地内への入り口を限定的にするため、各校の状況に合わせ、高さ約2メートルの柵を設置する。

 市では3月の事件後、美笹中学校での安全対策を進めているほか、全市立小中学校に警備員1人を配置し、事件事故の発見や防止、拡大防止に努めている。

 同日会見した菅原文仁市長は「美笹中の生徒からは本当に怖かったとの声を聞いた。安全な学校環境のため、われわれができる最善を尽くす」と述べた。

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