犬に『香辛料』は危険?"絶対に与えてはいけない"と言われる理由と誤食した時の対処法

犬に『香辛料』を与えるのは危険?

香辛料は血行や食欲を促進させる効果があり、食材の味を引き立ててくれる料理に欠かせないものです。辛い食べ物が好きな方は、普段から口にされることが多いでしょう。

「食欲不振の愛犬にもスパイスを与えてみようかな」と思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、犬には香辛料を絶対に与えてはいけません!

特に、刺激が強い以下の香辛料は絶対にNGです。

  • 唐辛子
  • ワサビ
  • マスタード
  • 山椒
  • コショウ

これらの刺激が強い香辛料を犬が摂取すると、下痢や嘔吐、腹痛を引き起こす恐れがあります。下痢が続くと脱水症状に陥り、最悪の場合死んでしまうこともあるでしょう。

なかでも唐辛子に含まれる「カプサイシン」は犬の胃腸に大きなダメージを与えますし、コショウの「ピぺリン」という成分は自律神経に影響します。

また、強い刺激はありませんが、次の香辛料は犬や猫に有毒性があるといわれているので与えないようにしてください。

  • 八角(スターアニス)
  • クローブ
  • オールスパイス
  • ナツメグ

犬に与えてもいい香辛料には「クミン」や「ターメリック(ウコン)」が挙げられますが、あえて与える必要はないでしょう。ターメリックの成分は犬用サプリメントなどに含まれることがあるので、そちらを利用したほうが安心です。

パウダー状の香辛料は犬が鼻から吸い込むと呼吸困難になる危険性もあるので、香辛料は犬に与えない、犬から届かない場所に置く、これらを徹底してください。

犬が香辛料を誤食した時の対処法

香辛料は匂いがキツいので、嗅覚が鋭い犬は嫌がって食べないように思いますよね。

しかし、人間の食べ物についた香辛料を食べてしまうことは大いにあり得ますし、コショウの瓶や、チューブに入ったワサビをイタズラしているうちに食べてしまうことが考えられます。

万が一、愛犬が香辛料を大量に食べてしまった場合は、動物病院へ連絡して獣医から指示を仰ぎましょう。自己判断で吐かせようとするのは危険なので、必ず獣医の指示に従ってください。

香辛料は少量なら犬が食べても問題なく体外へ排出されることも多いので、食べた量が少なく犬に異常が見られないなら様子を見てもOKです。

嘔吐や下痢、お腹を痛がるなど少しでも体調に変化があれば動物病院へ行ってください。誤食から2,3日は愛犬の様子を注意深く観察して見守りましょう。

まとめ

香辛料にはさまざまな効能があり料理の味や香りを引き立てますが、犬には絶対に与えてはいけません。刺激の強いものや有毒性がある香辛料を与えると、犬が体調不良になる恐れがあります。

少量であれば影響がない場合が多いですし、食べても問題がない香辛料も存在しますが、あえて犬に与える必要はありません。

もし愛犬が大量に香辛料を食べ、体調が悪化した場合はすぐに動物病院へ連絡しましょう。

香辛料は飼い主さんだけで楽しみ、愛犬には胃腸に優しい食材を与えるようにしてくださいね。

(獣医師監修:寺脇寛子)

© 株式会社ピーネストジャパン