茨城県内結婚式、活気戻る コロナ5類後 予約が急増、フル稼働

9月に挙式予定の岩田笙嗣さん、生斗音さん夫妻とウエディングプランナーの菊地美香さん(左)=土浦市港町

新型コロナウイルス感染症の5類移行から3カ月余りが過ぎ、茨城県内で結婚式を行うカップルが増え始めた。県内式場は今秋、挙式予定で週末がほぼ埋まり、式場見学の問い合わせも急増。式場関係者は「活気が戻ってきた」として、ウェディングプランナー(WP)を増やすなどフル稼働で対応に当たっている。

「小さいころからお嫁さんになるのが夢。結婚式は絶対挙げたかった」。9月に挙式を控える岩田生斗音(おとね)さん(25)は、そう語り、幸せそうな笑みを浮かべる。親戚や友人など約100人を招待しており、準備も大詰めだ。

夫の笙嗣さん(24)は、5類移行で「招待しやすくなった。式では、両親やこれまでお世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えたい」と話す。

2人が式を挙げる同県土浦市港町1丁目の結婚式場「フラン・ベル・アムール」では、ブライダルシーズンを迎える9~11月の週末のほとんどが予約で埋まっているという。

チーフWPの菊地美香さんによると、2020年から1年半ほどは挙式がほとんどなかった。今年はコロナ禍前の水準に戻りつつある。中でも、5類に移行した5月からは「年内に挙式したい」と式場に駆け込み、予約を済ませるカップルが目立ち、見学の問い合わせもコロナ下と比べて4割ほど増えたという。

同式場では、駆け込み挙式の需要取り込みなどを見込み、WPを増員して対応に当たっており、菊地さんは「活気が戻ってうれしい。お客さまには、安心して式を任せてもらいたい」と話した。

「ホテルテラスザガーデン水戸」などを運営する長寿荘(ひたちなか市大平1丁目)でも、挙式や披露宴の予約が活況だ。20年に比べ、今年は挙式や披露宴が約8割増加。同社婚礼統括部マネジャーの西原玉栄さんは「今秋の週末はほぼ予約で埋まった。忙しくなりそうだ」と意気込む。

コロナ禍では、婚礼写真の撮影だけ、新郎新婦2人の挙式、招待客10~20人規模と少人数の披露宴など、スタイルが多様化したが、小規模挙式や披露宴は5類移行後の現在も定着しているという。

ただ、コロナ禍で結婚式や披露宴が激減し、やむなく離職した人も少なくないとみられ、その余波は今も残る。西原さんは、WPやシェフ、配膳担当など「人手不足は否めない」としながらも、「新郎新婦の晴れの日を一緒に祝える時が来てうれしい」と笑顔を見せた。

© 株式会社茨城新聞社